tag:blogger.com,1999:blog-20818586397345620542024-03-19T14:06:27.303+09:00弁護士マーケティング 法律事務所マーケティング 長崎 原総合法律事務所の場合所長弁護士が考える 法律事務所のマーケティング所長弁護士原章夫http://www.blogger.com/profile/01342084082195400579noreply@blogger.comBlogger45125tag:blogger.com,1999:blog-2081858639734562054.post-87704619510232888142012-08-19T21:33:00.002+09:002014-03-03T00:00:55.185+09:00<お知らせ編>交通事故のブログ始めました<span style="font-size: large;"><b style="background-color: #cccccc;"><お知らせ編>交通事故のブログ始めました</b></span><br />
<br />
お知らせばかりで,マーケティングについての話しが続かないのですが・・・<br />
<br />
それでもお知らせということで,交通事故のブログを始めたことのご紹介です。<br />
<br />
こちら → <b><a href="http://haralawoffice-jiko.blogspot.jp/" target="_blank">交通事故案内ダイヤル 被害者側弁護士原総合法律事務所のブログ</a></b><br />
<br />所長弁護士原章夫http://www.blogger.com/profile/01342084082195400579noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2081858639734562054.post-66946781898645618442012-07-10T23:30:00.000+09:002014-03-03T00:00:55.183+09:00東京事務所・アンテナオフィス開設のお知らせ<br />
<span style="background-color: #cccccc; font-size: large;"><b><お知らせ編>東京事務所・アンテナオフィス開設! 披露パーティーのご案内も</b></span><br />
<br />
すみません,ブログを更新すると宣言しながら,ずっとそのままで。<br />
<br />
でも,<b>東京事務所(アンテナオフィス)</b>開設を間近に控え,その広報だけはしておかないとということで,お知らせだけのアップです。<br />
<br />
<b>弁護士法人佳朋 原総合法律事務所 東京事務所を8月2日開設します。</b><br />
<br />
この事務所,これまでなかった全く新しいタイプの法律事務所です。<br />
私たちは,<b>「アンテナオフィス」</b>と名付けました。<br />
<br />
地元出身の関東在住の方で,地元にトラブルがあったとき,東京の法律事務所に相談に行っても,地元の法律事務所に行くように勧められたと思います。東京の事務所で相談・打合せができて,地元の事務所で対応・処理ができればいいと思いませんか。<br />
そんなニーズに答えるのが地元と東京を結ぶ<b>「アンテナオフィス」</b>です。<br />
<br />
例えば,こんなとき<br />
<br />
<ul>
<li><span style="background-color: white;">地元に残した高齢の両親-物覚えも悪くなってきて心配</span></li>
<li><span style="background-color: white;">地元で亡くなった親の遺産-他の相続人は地元で話合いが進まない</span></li>
<li><span style="background-color: white;">地元にある不動産-境界を巡ってトラブルに</span></li>
</ul>
<br />
東京事務所(アンテナオフィス)を活用してください。<br />
<br />
でも,同じニーズは,長崎出身者だけではないですよね。<br />
そこで,原総合法律事務所は,九州各県の法律事務所との協力関係も作りました。<br />
<b>「ネットワーク九州」</b>です。<br />
九州各県の2009年,2010年の弁護士会会長経験者が在籍する事務所のネットワークです。<br />
<br />
さて,その披露パーティーを8月4日(土)午後4時からANAインターコンチネンタルホテルで開きます。<br />
当事務所とつながりのある皆さんはもちろん,在京の県人会,同窓会や行政の皆さんも参加いただけるようです。著名人の参加もあるとか・・・<br />
ネットワーク九州に参加する九州の弁護士も上京します。<br />
ネットワークを実感できるパーティーになりそうです。<br />
もし,参加をご希望の方がおられたら,095-820-2500までお電話ください。趣旨に賛同いただける方,限定ではありますが。<br />
<br />
東京事務所やネットワーク九州の詳細は,改めてということで,とりあえずのお知らせでした。所長弁護士原章夫http://www.blogger.com/profile/01342084082195400579noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2081858639734562054.post-45402137805510836672012-05-27T15:55:00.002+09:002014-03-03T00:00:55.181+09:0028 法律事務所におけるネットワークの価値<br />
<b><span style="background-color: #cccccc; font-size: large;"><span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;">28</span> ネットワーク編1-ネットワークの価値</span></b><br />
<br />
さて,法律事務所のマーケティングのブログを再開すると宣言してしまいましたが,再開後,まず何をテーマにしようかと…。<br />
<br />
以前のテーマを続けるのにも読み返すのが大変なので,まだまとめて書いてはいないけれど,何度も出てきているネットワーク編として書いていくことにしました。<br />
2月にネットワークながさきの<a href="http://www.haralawoffice.com/archives/2605" target="_blank">お困りごと案内ダイヤル</a>を始めたばかりの旬なテーマでもありますし,8月にはネットワーク九州の<a href="http://www.haralawoffice.com/archives/1836" target="_blank">アンテナオフィス</a>を始める予定の更に旬なテーマです。<br />
原総合法律事務所では,年頭に,その時点での具体的な目標を年間スローガンとして掲げていますが(<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.jp/2011/10/blog-post_12.html" target="_blank">原総合法律事務所の理念と年間スローガン</a>),今年(2012年)の年間スローガンは「ネットワークの創造」です。<br />
<br />
また,最近,何人かの弁護士と法律事務所の課題や将来像を話すことがありましたが,表現は違っても,同じ方向をイメージしていることが分りました。やはりキーワードは「<b>ネットワーク</b>」です。<br />
それも一様に「<b>緩やかなネットワーク</b>」を目指しているように思いました。そこでは,「<b>ライトな関係</b>」とか,「<b>見えない組織</b>」とか,「<b>ルーツ</b>」とか,「<b>ファン</b>」,「<b>キーマン</b>」といった言葉が使われていました。それは,かつての「顧問」や「紹介」という言葉から思い浮かべる「ネットワーク」とは異なったイメージを含んでいるように思います。(このことは,後日,もう一度考えてみます。)<br />
<br />
さて,原総合法律事務所では,そのマーケティング戦略を次の3つの要素で組み立て,検証しているといいました(<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.jp/2011/09/03-summary-b-c-b-b-c-b-hp-dvd-c.html" target="_blank">03 summary:原総合法律事務所のマーケティング戦略</a>)。<br />
(a) 質の高い法的サービスを作り,<br />
(b) 質の高い法的サービスを提供できるという情報を広く法的ニーズをもっている人のところに届け,<br />
(c) 法的ニーズのある人が,「いつでも,どこでも,だれでも」相談を受け,依頼できるようにする。<br />
<br />
ネットワークは,この3要素に次のように関わると考えています。そこに,法律事務所のマーケティングにおける<b><span style="font-size: large;">ネットワークの価値</span></b>があるのです。<br />
<br />
(a) まず,関連する様々な専門家や行政等とのネットワークがあれば,そこへつなぐことにより,またそこから情報を得たり,そこへ相談することにより,法的サービスの質を高めることができます。<br />
例えば,弁護士は,福祉には詳しくないのが普通ですが,高齢者などの相談では,福祉の知識が必要になることが多いと感じています。社会福祉士など福祉の専門家や行政の福祉を扱う部署とのネットワークがあれば,専門家や行政につないだり,また,専門家や行政に尋ねたり,相談することができます。その結果,弁護士の提供する法的サービスの質が上がるのです。<br />
<br />
(b) 原総合法律事務所にたどり着ければ,何らかの法的な解決を進めることができるとしても,そのことを知っている市民はまだまだ少数です。<br />
一方的に流すだけの広報(テレビ,ラジオ,新聞,広報誌,ポスター等)では,原総合法律事務所の名前やイメージを意識の片隅に残すことはできても,直ちに,原総合法律事務所に相談しようと思わせることまではできないのです(<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.jp/2011/09/06-b-03-cm-dvd-dvdcm-hphp03.html" target="_blank">06 広報を考える1-効果のとらえ方</a>)。<br />
しかし,ネットワークを介しての広報は,もっと直接的で効果的です。例えば,別の専門家に相談に行った人が,実は法的問題を抱えていたとき,そこから原総合法律事務所を紹介してもらうことの有効性はいうまでもありません。さらに,そのネットワークは,専門家に限るものではありません。かつての依頼者,相談者など,原総合法律事務所の「ファン」が,周りの人と話していて法的問題ではと思ったときに原総合法律事務所を紹介してもらうことで,ネットワークは一挙に広まります(以前,<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.jp/2011/10/13.html" target="_blank">13 広報を考える8-人を介しての広報</a>でふれたことがあります。)。原総合法律事務所のホームページやブログの読者が,周りの人に紹介するような「見えない組織」を介しての相談も考えられます。<br />
<br />
(c) 法的ニーズのある人が,「いつでも,どこでも,だれでも」相談を受け,依頼できるようにするというのは,言い換えれば,弁護士へのアクセスを容易にする取組みです。<br />
そのために,まず,全ての法律事務所で取り組んで欲しいのが,即日相談であることは,繰り返し述べてきました(<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.jp/2011/09/04-02-03.html" target="_blank">04 即日相談に応じる覚悟</a>,<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.jp/2011/09/05-04.html" target="_blank">05 即日相談実現のための意識改革とテクニック</a>,<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.jp/2012/01/26.html" target="_blank">26 もう一度考える「即日相談」</a>)。<br />
また,ネットワークの問題としていうと,特定の分野について,「質」の問題を満たした法的サービスを提供できる法律事務所を市民の側から探すというのは容易なことではありません。その特定の分野について,質の高い法的サービスを提供できる法律事務所のネットワークがあれば,その存在が市民に広がり,市民のアクセスは容易になるでしょう。<br />
また,ネットワーク九州のアンテナオフィスは,まさに,九州と関東を結ぶ法的ニーズに対応することで,弁護士への市民のアクセスを容易にしようとするネットワークです(詳しくは,後日ふれますが,簡単には<a href="http://www.haralawoffice.com/archives/1836" target="_blank">こちら</a>。)。所長弁護士原章夫http://www.blogger.com/profile/01342084082195400579noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2081858639734562054.post-2898111532633537992012-05-20T11:28:00.000+09:002014-03-03T00:00:55.178+09:00法律事務所のマーケティングブログ再開します!<br />
<span style="font-size: large;"><b style="background-color: #cccccc;"><お知らせ編・決意編かも?>ブログ再開します!</b></span><br />
<br />
しばらく(長い間),法律事務所のマーケティングのブログの更新をサボっていました。愛読者の皆さん(多分いるでしょう,何人かは…。更新をサボっている間もカウント数が伸びているのを見ると。),申し訳ありません。<br />
<br />
中途半端なところで中断していますし,この間にも考えが深まった(ような気がする)ところもありますし,また,3か月も休めば新しい取組みも進んでいます。<br />
ということで,そろそろ再開しようかなと…。<br />
しかし,そんなに頻繁には無理かも(とリスクヘッジしておきます。)。<br />
<br />
今,ちょっとした弁護士の集まりに来て,法律事務所の将来や目の前の事務所財政の問題などを話したりしています。<br />
そこで,このマーケティングブログや<a href="http://haralawoffice-manager.blogspot.jp/" target="_blank">マネージャーのマネジメントブログ</a>,<a href="http://blogs.yahoo.co.jp/haralawoffice_blog" target="_blank">事務局の改善提案ブログ</a>,<a href="http://www.haralawoffice.com/" target="_blank">原総合法律事務所のホームページ</a>など,何人かの皆さんから読んでいるよというお言葉とコメントもいただき(いつになったら更新するのかというプレッシャーも感じたわけですが。),これは再開しなければと決意した次第です。<br />
<br />
今回は,そこで感じたことを少しだけ。<br />
事件が減ったとか,事件の単価が低下したという目の前の現実はあるわけでしょうが,閉塞感に囚われている,あるいはそれが言いすぎであれば,展望を見出せない事務所の多いことを改めて感じました。<br />
<br />
ちなみに,原総合法律事務所では,数年にわたる事務所全体でのマーケティングの取組みの中で,少なくとも相談数,受任事件数とも減ってはいません。確かに,個々の事件ごとの弁護士報酬は減っているのかもしれませんが,そこにこだわり前へ進めなくてどうするという感じです。<br />
<br />
いまだ弁護士にたどり着けないのだけれど,弁護士の法的サービスを受けることができれば,権利や利益が守られ,社会正義を取り戻せる人たちがいるという現実から出発すべきです。むしろ,今,弁護士にたどり着けている人たちは,一部の人たちだというのが現実です。<br />
私たちは,つながりのあるところから紹介されてくる事件だけを扱って,済ませてきたように思います。<br />
しかし,より多くの人たちは,弁護士とのつながりがない人たちです。<br />
その人たちを「放置」しておいて弁護士の使命である基本的人権の擁護や社会正義の実現はないと思うのです。<br />
<br />
そういう弁護士とのつながりのない人たちを弁護士につなぐことが,原総合法律事務所が考えるマーケティング戦略の目的です。<br />
しかし,一事務所ができることは,ごくわずかなことです。<br />
同じ考え方の弁護士,法律事務所が全国に増えることを原総合法律事務所は願っています。<br />
そのために,法律事務所のマーケティングのブログや,マネジメントのブログでの発信を続けていきたいと考えています。また,私たちの話しでよければ,いろんなところで話していきたいと考えています(いくつかのオファーも受けています。)。<br />
<br />
ただ,本来の業務の合間をぬっての情報発信には限界を感じてきているのも事実です(今回も長期にわたりマーケティングのブログが更新できなかったわけですし。)。法律事務所のマーケティングや法律事務所のマネジメントの情報発信を強化するには,その「経済基盤」の強化も考えなければと思ってきています。例えば,ホームページやブログの制作を含む法律事務所の広報をコンサルティングしたり,法律事務所のマーケティングやマネジメントをコンサルティングしたり。そのための活動の主体も整えたところです。<br />
<br />
ちなみに,こんな原総合法律事務所のマーケティングやマネジメントの話しを少ししただけでも,真剣に耳を傾け,参考にしたいとおっしゃる方が大勢おられたことは,やはり嬉しかったのです(そういう反応が,ブログ再開の後押しになるのでした。)。所長弁護士原章夫http://www.blogger.com/profile/01342084082195400579noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2081858639734562054.post-72123775228502617092012-02-02T00:02:00.001+09:002012-02-02T00:03:24.932+09:00ネットワークながさき初日も!!!<br />
<span style="font-size: large;"><b style="background-color: #cccccc;"><報告編・続>ネットワークながさき初日も!!!</b></span><br />
<br />
いつもは,アップをサボってばかりですが,位置付け「大」のプロジェクトの様子なので,かつてない連日アップです。<br />
<br />
今日が本当の「<b>ネットワークながさき</b>」初日です。<br />
フライングのスタート前日の問合せが<span style="font-size: large;"><b>12件</b></span>だったわけですが,サービス開始初日の今日は問合せ<b><span style="font-size: x-large;">22件</span></b>になりました!!!<br />
<br />
所長の私も,2件のテレビの取材,3件の相談・打合せ,1件の業務上の打合せ,弁護士会の研修,研修会後の懇親会をこなしつつ,数え切れない問合せの決済に明け暮れました。<br />
窓口担当事務局には,ヒアリング後,対応について,弁護士の判断を得るようにマニュアル化しているので,当然,弁護士の負担も増えます。<br />
しかし,何といっても最前線の事務局の対応は,正直大変なはずです。思いっきりハードルを下げた「<b>お困りごと案内ダイヤル</b>」ですから,文字通り「お困りごと」のオンパレードです。<br />
でも,それが,市民の権利,利益を擁護するために,原総合法律事務所が行うべきサービスなのだという理念に裏打ちされた事務局は,ときに少しばかりの愚痴で盛り上がっても,電話が鳴れば,丁寧かつ感じよいヒアリングに努めます。そして,ヒアリングの結果を要領よく弁護士に伝え,対応の指示を仰ぎます。<br />
<br />
同様のネットワークに対するニーズは全国にあると思うのですが,それに対応できる事務局が前提であることは,認めざるを得ないようです。<br />
<br />
ところで,「お困りごと」から,既に当事務所の相談に結びついた例もありますし,他の専門家に紹介した例もあります。法律事務所のマーケティング,弁護士のマーケティングの観点からも,「<b>ネットワークながさき</b>」と「<b>お困りごと案内ダイヤル</b>」は着実な成果を上げそうです。<br />
<br />
また,昨日に続き,今日は,テレビではNHKとKTNでニュースとして取り上げられ,読売新聞で記事として取り上げられました。お昼のNHKのニュースが流れたとたんに電話が鳴ったのには,さすがテレビのニュースの威力と感心させられました。<br />
原総合法律事務所では,今後も,ニュース・記事として報道に載せることを広報の重要な柱と位置付けることになります。ちなみに,ニュース・記事として取り上げてもらうためには,プレスリリースの際,公益性,独自性を明らかにし,報道価値を分かりやすく伝えることが必要なことは,既にこのブログでもアップしたところです(<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.com/2011/10/12.html" target="_blank">12 記事になるということ</a>)。<br />
<br />
関連ブログもご紹介です。<br />
マネージャーのブログ → <a href="http://haralawoffice-manager.blogspot.com/2012/02/ver4.html" target="_blank">こちら</a><br />
事務局のブログ → <a href="http://blogs.yahoo.co.jp/haralawoffice_blog/archive/2012/02/01" target="_blank">こちら</a><br />
佐世保事務所のブログ → <a href="http://blogs.yahoo.co.jp/haralawoffice_sasebo/3113968.html" target="_blank">こちら</a>所長弁護士原章夫http://www.blogger.com/profile/01342084082195400579noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2081858639734562054.post-56228229131431263982012-02-01T00:43:00.000+09:002012-02-01T00:43:29.533+09:00ネットワークに対するニーズとメディアの力<br />
<span style="font-size: large;"><b style="background-color: #cccccc;"><報告編>ネットワークに対するニーズとメディアの力</b></span><br />
<br />
昨日お知らせした「<b>ネットワークながさき</b>」の結果報告です。<br />
といっても,実際のスタートは2月1日ですから,1月31日の電話はフライングの問合せです(だからといって,今日は受け付けませんなどというのは論外ですね。)。<br />
<br />
正直なところ,ニーズはあると思ってはいましたが,どれだけの反応があるかは,全く読めませんでした。<br />
結果,1月31日の1日で<b><span style="font-size: large;">12件</span></b>の問合せがありました(問合せの内容も知りたいところでしょうが,分析は改めて時間のあるときに。)。<br />
やはりニーズは間違いなくあります。<br />
<br />
しかし,ニーズも実際に問合せの電話に結びつかなければ,この「<b>ネットワークながさき</b>」を立ち上げた意味がありません。<br />
そこで,広報が重要なわけですが,やはりメディアの力は圧倒的です。<br />
かつ,それは,CMではなく,記事・ニュースとして載ることが広報の質を変えます(以前,<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.com/2011/10/12.html" target="_blank">12 記事になるということ</a>でふれました。)。<br />
<br />
今回のプロジェクトについては,1月30日に記者会見を行い,翌31日,テレビではNBCが取り上げ,新聞では,長崎新聞(しかも1面),西日本新聞(写真入り),朝日新聞が取り上げました。<br />
本来のスタートの日である明日2月1日は,NHKとKTNのテレビカメラが入ることになっています。<br />
<br />
そこで,「ネットワークながさき」スタート前のフライングの総括です。<br />
<br />
<ul>
<li>教訓1 弁護士をはじめ専門家へのアクセスを容易にする仕組みを作れば,<b>市民のニーズは確実に存在する</b>ということ。</li>
<li>教訓2 いいサービスも,市民に知られなければ意味はなく,<b>記事・ニュースにする工夫</b>が必要だということ。</li>
<li>教訓3 しかし,この窓口を担う<b>事務局の丁寧な対応と高いヒアリングのスキル</b>がなければ,市民に浸透はしないであろうこと。</li>
</ul>
<br />
<br />
最後に,Web上で公開されている新聞記事のご紹介です(若干,不正確な報道もありますが,そのあたりは気にしないということで。)。<br />
長崎新聞は<a href="http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20120131/04.shtml" target="_blank">こちら</a><br />
朝日新聞は<a href="http://mytown.asahi.com/nagasaki/news.php?k_id=43000001201310001" target="_blank">こちら</a><br />
<br />
ついでに,NBCのニュースを写真に撮ったのが,マネージャーのブログにあります(<a href="http://haralawoffice-manager.blogspot.com/2012/01/ver3_31.html" target="_blank">こちら</a>)。<br />所長弁護士原章夫http://www.blogger.com/profile/01342084082195400579noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2081858639734562054.post-16271765686882739782012-01-31T01:54:00.002+09:002012-01-31T01:54:20.814+09:00新しいネットワークのモデル<br />
<span style="font-size: large;"><b style="background-color: #cccccc;"><お知らせ編>新しいネットワークのモデル</b></span><br />
<br />
<b>「ネットワークながさき」</b><br />
それが,2012年2月1日に立ち上げるプロジェクト-ネットワークの新しい試みです。<br />
<br />
弁護士へのアクセス改善の重要な鍵となるシステムとして,<br />
<br />
<ul>
<li>即日相談</li>
<li>かかりつけ弁護士</li>
<li>ネットワーク</li>
</ul>
<br />
の3つを考えていることは,先にふれました(<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.com/2012/01/27.html" target="_blank">27 「顧問弁護士」から「かかりつけ弁護士」へ</a>)。<br />
<br />
このうち,ネットワークの課題は,改めて弁護士アクセス編で詳しく取り上げることになると思いますが,今日は,ネットワークの新しい取組みの第1弾として立ち上げた「ネットワークながさき」の記者会見を行ったので,そのご紹介です(ちなみに,第2弾も間もなく立ち上げです。)。<br />
<br />
といっても,時間がないので,記者会見で発表した創立宣言(のようなもの)とプレスリリースの抜粋だけのご紹介です。<br />
<br />
-------------------------<br />
<br />
<b>「ネットワークながさき」の創立と「お困りごと案内ダイヤル」の活動開始にあたって</b><br />
<br />
高齢社会の進行と長引く不況の下,市民は多様で複雑な問題にさらされ,私たち専門家による支援が必要な場面はますます増えています。しかし,どこに相談すればいいのか分からず,適切な相談窓口にたどり着けない市民は少なくありません。また,専門家の相談を受け,問題の一つの側面を解決できても,その人の全体的な問題の解決には至らない場合もあります。<br />
<br />
私たち専門家は,これまでの業務の中で,個人的なつながりを作り上げてきたところですが,このような市民の様々な問題に適切なサービスを提供し,市民の権利,利益を擁護するためには,共通の問題意識の下,より緊密なネットワークを作ることが必要ではないかと思うようになりました。<br />
<br />
そこで,私たち,思いを同じくする長崎の弁護士,司法書士,税理士,中小企業診断士,土地家屋調査士,社会保険労務士,社会福祉士,宅地建物取引業者,保険代理店,医師は,「ネットワークながさき」を創立し,相互に適切な専門家を紹介し,また,統一した案内窓口「お困りごと案内ダイヤル」を運営するなどの取組みを進めることとしました。<br />
<br />
「お困りごと案内ダイヤル」が,長崎の市民の専門家に対するアクセスを容易にし,市民の権利,利益が擁護された公正で安心な社会の実現に寄与することを願って,私たちは,その活動を開始します。<br />
<br />
2012年(平成24年)2月1日<br />
ネットワークながさき<br />
幹事・弁護士 原 章夫(弁護士法人佳朋原総合法律事務所)<br />
司法書士 入山和明(みなと司法書士法人)<br />
税理士 嶋 賢治(株式会社嶋会計センター)<br />
中小企業診断士・税理士 石井計行(石井中小企業診断士事務所)<br />
土地家屋調査士 針本久則(土地家屋調査士針本久則事務所)<br />
社会保険労務士 中島政博(中島社会労働保険総合事務所)<br />
社会福祉士 調整中(会として関与を検討中)<br />
宅地建物取引業者 桑田敬悟(株式会社RICC)<br />
保険代理店 小川一朗(有限会社TOライフマネジメント)<br />
医師 土山眞一(土山内科クリニック)<br />
ほか4名(一部調整中)<br />
<br />
-------------------------<br />
<br />
<b>「ネットワークながさき」の特徴</b>(記者会見資料から)<br />
<br />
専門家(士業)による連携は,これまでもあったかもしれませんが,次の点で,特徴があります(全国でも例を聞かないし,長崎ではもちろん初めての試みとなります。)。<br />
<br />
<b>(1) 市民の権利,利益の擁護を目的としています。</b><br />
なお,個人事業主,中小企業の経営者なども,排除する趣旨ではありません。これまで専門家とのつながりがなかった市民のためのネットワークです。<br />
<br />
<b>(2) 市民の専門家に対するアクセス改善のための活動を行います。</b><br />
「どこに相談すればいいか分からない」,「こんなことを相談してもいいのだろうか」,「直接連絡を取るのはハードルが高い」,そんな声に対応できる活動を行います。<br />
<br />
<b>(3) そのために,常設の案内窓口を開設します。</b><br />
直接専門家に連絡を取るのではなく,まず窓口担当者が事情を聞き取り,専門家の支援が必要であれば,その専門家を紹介します。<br />
案内窓口のご利用は,通話料をご負担いただく以外に費用はかかりません。<br />
相談や依頼は,参加・連携している専門家がお受けします(こちらは,所定の料金がかかることがあります。)。<br />
<br />
<b>(4) 参加する専門家の幅が広いこと</b><br />
従来の専門家(士業)の連携は,法律,税務・会計,経営指導など企業活動が主な対象だったように思われますが,このネットワークは,市民生活全般をカバーするために,それに加えて,医療,福祉,不動産,保険などの専門家も参加します。<br />所長弁護士原章夫http://www.blogger.com/profile/01342084082195400579noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2081858639734562054.post-31638678690896911102012-01-28T02:55:00.000+09:002012-01-28T02:56:43.139+09:00ネージャーのブログ中断のお詫び<br />
このブログの更新ではありません。<br />
<br />
1日1ブログを旨とする関連ブログ「所長弁護士・中小企業経営者必見!法律事務所におけるマネジメントのススメ→<a href="http://haralawoffice-manager.blogspot.com/" target="_blank">こちら</a>」をアップできなかったことについて,マネージャーより伝言です。<br />
<br />
「NO.140 お詫び編 事故により一時中断ですみません」とのことでした。<br />
<br />
しかし,関連ブログとはいえ,アップが途絶えがちなこのブログをマネージャーのブログと一緒に見る人がいるのでしょうか???所長弁護士原章夫http://www.blogger.com/profile/01342084082195400579noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2081858639734562054.post-40930093511850382422012-01-18T03:10:00.002+09:002012-01-18T03:14:19.509+09:00新しいニュースレターのかたち<br />
<span style="font-size: large;"><b style="background-color: #cccccc;"><番外編4>新しいニュースレターのかたち</b></span><br />
<br />
法律事務所・弁護士のマーケティングに必要であるように思われるのに,実は原総合法律事務所になかったのがニュースレターです。<br />
ようやくその第1号ができあがったので,ブログ上でもご紹介です(既に昨年中にお配りしたのですが。)。(ちなみに,HPでのご紹介は,本体HPでは<a href="http://www.haralawoffice.com/archives/2561" target="_blank">こちら</a>。交通事故HPでは<a href="http://www.jikosupport-ng.com/news/527.html" target="_blank">こちら</a>。)<br />
<br />
しかし,原総合法律事務所が作るニュースレターですから,当たり前のものであるはずもありません。これまでなかったタイプのニュースレターに仕上がっています。<br />
<br />
これも,原総合法律事務所の理念から導かれたニュースレターの新しいかたちです。<br />
すなわち,原総合法律事務所の理念は,「いつでも,どこでも,だれにでも 上質な法的サービスを。」提供することにありますから(<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.com/2011/09/blog-post_13.html" target="_blank">02 明確な事務所理念・ビジョン</a>),市民の皆さんに,原総合法律事務所の提供する法的サービスのメニューを伝え,法的トラブルに巻き込まれたときに,原総合法律事務所を利用しようという気持ちにさせなければなりません。<br />
<br />
そのためには,形式面で,まず,読みやすいものでなければなりません。字はできるだけ大きく,少なくすることが必須です。よくある細かな字がびっしり詰まっているものでは,それだけで読もうという気持ちにならないでしょう。<br />
<br />
内容面では,法律知識は不要です。それでなくても,法律情報は氾濫していますし,原総合法律事務所の場合,事務所として提供したい法律知識は,HPで提供することにしています(HPには圧倒的な情報量と分かりやすさが必要なことについて,<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.com/2011/10/10.html" target="_blank">10 HPの差別化</a>)。<br />
市民の皆さんがニュースレターで知りたいのは,原総合法律事務所が提供する法的サービスの内容であり,弁護士の雰囲気であると考えています。したがって,特に新しい法的サービスのメニューを紹介し,また,弁護士を写真で紹介しています。<br />
ちなみに,弁護士の雰囲気を紹介するためには,一般に,文字情報ではなく,写真が優れています。<br />
<br />
そして,紙面全体のデザインから,原総合法律事務所のブランドイメージが伝わることも必要です。<br />
<br />
加えていうならば,これは原総合法律事務所の法的サービスのカタログですから,とっておきたくなるような(決して,一読してゴミ箱に捨てられないような),センスのいいものでなければなりません。<br />
<br />
そんなことを考え,スタッフが協力して作り上げたのが,原総合法律事務所のニュースレター「information vol.1」です。<br />
多分,こんなニュースレターを作った法律事務所はなかったのではないかと思いますが,原総合法律事務所の理念からすれば,この新しいニュースレターのかたちは当然の帰結だったのです。<br />
<div>
<br /></div>
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では,そのニュースレターのご紹介です。</div>
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<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEis2_IMfvlfPXY7H3JGOkm4bxwYXTLB5fCowS-1EoKMwSDl0to6SD0Jda9Axce9jZeMS_TgUJUtMFm_njin6JktF3CwtA-ReF37TDOqiHyi6ioVMtrSeikD-PB4JRRLtVWoYS-wq-g0szAc/s1600/%25E3%2583%258B%25E3%2583%25A5%25E3%2583%25BC%25E3%2582%25B9%25E3%2583%25AC%25E3%2582%25BF%25E3%2583%25BC1112_1.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="640" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEis2_IMfvlfPXY7H3JGOkm4bxwYXTLB5fCowS-1EoKMwSDl0to6SD0Jda9Axce9jZeMS_TgUJUtMFm_njin6JktF3CwtA-ReF37TDOqiHyi6ioVMtrSeikD-PB4JRRLtVWoYS-wq-g0szAc/s640/%25E3%2583%258B%25E3%2583%25A5%25E3%2583%25BC%25E3%2582%25B9%25E3%2583%25AC%25E3%2582%25BF%25E3%2583%25BC1112_1.gif" width="428" /></a></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
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<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhpeHkYcQi5o_dK5BsSEpkKQ_7fzU0gSkXoLBiO3K0K5RSSa_TGFfmZ4NI_I9r8196sIbudlXrt3ys-sbagez12teTvpN-IairV0Q8e4d0-xr3tTb8-BfUkrh7PbMQHXq2Q9djiok4GdebX/s1600/%25E3%2583%258B%25E3%2583%25A5%25E3%2583%25BC%25E3%2582%25B9%25E3%2583%25AC%25E3%2582%25BF%25E3%2583%25BC1112_2.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="640" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhpeHkYcQi5o_dK5BsSEpkKQ_7fzU0gSkXoLBiO3K0K5RSSa_TGFfmZ4NI_I9r8196sIbudlXrt3ys-sbagez12teTvpN-IairV0Q8e4d0-xr3tTb8-BfUkrh7PbMQHXq2Q9djiok4GdebX/s640/%25E3%2583%258B%25E3%2583%25A5%25E3%2583%25BC%25E3%2582%25B9%25E3%2583%25AC%25E3%2582%25BF%25E3%2583%25BC1112_2.gif" width="430" /></a></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
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<br /></div>所長弁護士原章夫http://www.blogger.com/profile/01342084082195400579noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2081858639734562054.post-47951408280550787522012-01-13T00:18:00.000+09:002012-01-13T10:01:14.112+09:0027 「顧問弁護士」から「かかりつけ弁護士」へ<br />
<span style="font-size: large;"><b style="background-color: #cccccc;"><span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;">27</span> もっと身近な弁護士であるために7-「顧問弁護士」から「かかりつけ弁護士」へ</b></span><br />
<br />
弁護士のマーケティング,法律事務所のマーケティングを考える上で,弁護士・法律事務所へのアクセスを障害しているものをどのようにして取り払っていくかは重要な課題です。<br />
それは,私たちの目指すところが,「顧客の奪い合い」ではなく,「顧客の創造」だからです。新たな顧客を創造するためには,これまで弁護士・法律事務所にアクセスしていなかった層を弁護士・法律事務所にアクセスさせなければなりません。<br />
<br />
そのために,具体的に何をすればいいのか。<br />
原総合法律事務所では,現在,その最も重要な鍵となるシステムは,次の3つではないかと考えています。すなわち,<br />
<br />
<ul>
<li style="text-align: left;"><b>即日相談</b></li>
<li style="text-align: left;"><b>かかりつけ弁護士</b></li>
<li style="text-align: left;"><b>ネットワーク</b></li>
</ul>
<br />
の3つです。<br />
このうち,<b>即日相談</b>については,既に何度かふれてきました(最近では,<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.com/2012/01/26.html" target="_blank">26 もう一度考える「即日相談」</a>,以前のは,<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.com/2011/09/04-02-03.html" target="_blank">04 即日相談に応じる覚悟</a>,<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.com/2011/09/05-04.html" target="_blank">05 即日相談実現のための意識改革とテクニック</a>)。<br />
これから何回か,<b>かかりつけ弁護士</b>(HPでの紹介は<a href="http://www.haralawoffice.com/topics/aaayaaaaiyiyiyaeauafafaaaaea-aeeaeoelaw-support-aaeoeae" target="_blank">こちら</a>)について,話していこうと思います。<br />
<b>ネットワーク</b>については,現在進行しているプロジェクトなので,その目処が立ったところで,お話しします。<br />
<br />
まず,かかりつけ弁護士の第1回は,その<b>発想</b>と<b>狙い</b>です。<br />
<br />
実は,このかかりつけ弁護士の<b>発想</b>も弁護士ではなく事務局(マネージャー→ブログは<a href="http://haralawoffice-manager.blogspot.com/" target="_blank">こちら</a>)から出てきたものです。<br />
関東の大手の企業のかなりのポストにある同級生と話しているとき,口々に,顧問はいるけれど,プライベートな相談などできないというのです。<br />
一方で,地方の中小企業の経営者やそれに近い立場の同級生と話すと,顧問がいるから原総合法律事務所には頼めないという人がいたりするのです。<br />
そこで,マネージャーは考えました。では,顧問と矛盾しない社員を対象としたサービスを提供できないか。<br />
考えてみれば,原総合法律事務所が主な対象と考えている市民,それもこれまで弁護士の法的サービスを受けたことがない市民は,その多くが企業に勤める人やその家族でした。<br />
そういった個々の市民を原総合法律事務所につなぐのは簡単ではありません。ところが,企業を通じて,その社員につながることができれば,より有効に,より効率的に市民とつながることができるのです。<br />
<br />
そこで,企業だけではない全社員の「かかりつけ」の弁護士をシステムにできないか。<br />
その発想を事務所内で練り上げていったのが,かかりつけ弁護士のシステムです。<br />
<br />
そもそも,普通の市民や中小企業が,弁護士を必要とすることはそんなに多くはありません(もっとも,例えば,一生のうちに一度あるかないかというほど少ないとも思っていません。)。<br />
しかし,いざ,法的トラブルに巻き込まれたときに,弁護士とのつながりがなければ,弁護士がどんなことができるのか知らなければ,その人が法律事務所を訪れる可能性は本当に少なくなります。<br />
そこで,いつか法的トラブルにあったときに,原総合法律事務所のことを思い出して,原総合法律事務所に電話をかけてもらえるようなつながりを作っておくというのが,かかりつけ弁護士の<b>狙い</b>です。<br />
<br />
従来の顧問のように,月々の顧問料を支払ってもらうことはしません。その点で,事務所経営的に目の前の利益を狙っているわけではありません。<br />
かかりつけ弁護士は,もっと,長期的なマーケティング戦略です(しかし,2011年5月に始めたこのサービス,既に,受任に結びついています。)。<br />
<br />
そこで,考えたキャッチコピーが,<br />
<b>「顧問弁護士」から「かかりつけ弁護士」へ</b> であり,<br />
<b>「あなたのそばに弁護士はいますか」</b> でした。<br />
それは,原総合法律事務所の理念である,「いつでも,どこでも,だれにでも 上質な法的サービスを。」とまさにマッチするものだと思いませんか(事務所理念はこちら→<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.com/2011/09/blog-post_13.html" target="_blank">02 明確な事務所理念・ビジョン</a>)。<br />
<br />
次回からは,かかりつけ弁護士の具体的なシステムの紹介です。所長弁護士原章夫http://www.blogger.com/profile/01342084082195400579noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2081858639734562054.post-70218453275324214432012-01-06T01:40:00.000+09:002012-01-13T00:18:13.260+09:0026 もう一度考える「即日相談」<b><span style="background-color: #cccccc; font-size: large;"><span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;">26</span> もっと身近な弁護士であるために6-もう一度考える「即日相談」</span></b><br />
<br />
「即日相談」の重要性については,このブログの冒頭で強調しましたし(<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.com/2011/09/04-02-03.html" target="_blank">04 全ては新件相談のために-即日相談に応じる覚悟</a>,<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.com/2011/09/05-04.html" target="_blank">05 即日相談実現のための意識改革とテクニック</a>),アクセスの時間的な障害としてもふれました(<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.com/2011/10/14.html" target="_blank">14 弁護士へのアクセスを障害するもの</a>,<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.com/2011/10/16.html" target="_blank">16 様々な相談の形</a>)。また,私がパネリストとして参加した昨年(2011年)11月11日の横浜での日弁連弁護士業務改革シンポジウムでも,その重要性をお話ししました。<br />
<br />
その後,仙台の小松先生が,このブログや日弁連シンポでの私の発言を契機に,平成24年の目標として,即日相談を原則とすることを明らかにされました(<a href="http://www.trkm.co.jp/sonota/12010401.htm" target="_blank">法律相談体制充実強化策-お客様要望最大尊重と事前準備</a>)。それに答えて,マネージャーがマネジメントのブログで,現在の原総合法律事務所の即日相談のシステムを紹介したところ(<a href="http://haralawoffice-manager.blogspot.com/2012/01/blog-post_04.html" target="_blank">NO117 即日相談のススメ</a>),さらに,小松先生から「必見」とのお褒めの言葉をいただきました(<a href="http://www.trkm.co.jp/sonota/12010501.htm" target="_blank">法律相談体制充実強化策-桐・スカイプ等フル活用充実回答</a>)。小松先生には,2日にわたり原総合法律事務所の実践を取り上げていただき,マネージャーともどもお礼申し上げます。<br />
(2012/01/08追記 その後,マネージャーのブログで,更に即日相談を取り上げています。→<a href="http://haralawoffice-manager.blogspot.com/2012/01/ver2.html" target="_blank">NO119 即日相談のススメVer.2</a>,<a href="http://haralawoffice-manager.blogspot.com/2012/01/ver3.html" target="_blank">NO121 即日相談のススメVer.3</a>)<br />
<br />
そこで,もう一度,弁護士・法律事務所へのアクセス改善のために,即日相談は避けて通れない課題であることを再確認し,いくつかの疑問に答えることが今日のテーマです(かなり長文です。)。<br />
<br />
ところで,マネージャーもふれているところですが,即日相談の発想自体は,マネージャー,事務局長が率いる事務局からのものです。往々にして,弁護士は,従来の弁護士の仕事のやり方に染まりきっていて,新しい,自由な発想は苦手です。ここは,もっとも身近な「市民」である事務局の発想に謙虚に耳を傾ける姿勢がぜひとも必要です(そのような事務局のマネジメントが<a href="http://haralawoffice-manager.blogspot.com/" target="_blank">マネージャーのブログ</a>の課題です。)。<br />
<br />
さて,そこで,即日相談がなぜそれほど重要なのかということですが,既にお話ししたとおり,それが<b>マーケティングの手法として最も有効であった</b>し,<b>マネジメントの観点からも弁護士・事務局の意識改革を迫るものであった</b>からです。<br />
<br />
<b><マーケティングの視点から></b><br />
弁護士・法律事務所の「敷居が高い」,「ハードルが高い」と言われる一つの大きな要因が,相談の予約が何日も後でなければ入らないという点にあります。このことは,原総合法律事務所に相談に来られた相談者にヒアリングした結果から明らかです。<br />
トラブルを抱え,せっぱ詰まってはいるけれど,法律事務所に電話することには不安も感じ,ようやく決心して電話をかけたのに,自分の希望は聞いてはくれず,弁護士の都合で何日も後の相談しか受けられないというのでは,相談に来なくてもいいというのと同じことでしょう。<br />
そういう方の中には,わざわざ仕事を休んで,今日は弁護士の相談を受けようと電話をかけてこられる方も多いのです。即日相談を行うようになって,経験的に,夜間相談や土曜相談の需要は多くないことが分かりました。本当に困っている人は,仕事が終わった後や仕事が休みの日に相談に行こうと思うのではなく,仕事を休んで相談に行こうと思うのです。<br />
<br />
そうして即日相談に応じるようにすると,問合せの電話をほとんど全て相談に結びつけることができます。これも原総合法律事務所の即日相談実践の結果から明らかです。<br />
<br />
さらに,即日相談に応じる法律事務所は珍しいので,すぐにその情報が広がり,例えば,他の法律事務所からも,行政の窓口からも,「今日相談を受けたいのなら,原総合法律事務所に行ってみれば。」と紹介してもらえるようになります。<br />
そうすると,即日相談の次の段階として,飛び込みの相談にも応じる必要が出てきます。こういった他の窓口で原総合法律事務所を紹介された方は,その窓口を訪れたその足で原総合法律事務所にやって来ます。事前に電話をかけようとはされないのです。これも原総合法律事務所の実践の結果から導いた教訓ですが,即日相談の次は飛び込み相談です。<br />
<br />
その結果が,例えば,マネージャーのブログでも紹介されていますが,1月5日の仕事始めの日,全く事前の予約はなかったのに,即日相談が5件入ったという実績に表われています(<a href="http://haralawoffice-manager.blogspot.com/2012/01/blog-post_05.html" target="_blank">NO118 やっぱモチベーションでしょう!のススメ</a>)。年末年始にかけて訴状の送達を受け,慌てて相談に来られた方もいました。年末年始の帰省時に親族と相談し,帰省中にと相談に来られた方もいました。その中には,もちろん飛び込み相談もありました。即日相談,飛び込み相談をお断りしていれば,この5件の相談はなかったのです。<br />
<br />
<b><マネジメントの視点から></b><br />
しかし,即日相談に応じるには,弁護士・法律事務所の都合を優先するのではなく,相談者の都合を優先するという意識改革が必要です。<br />
事務局レベルでいえば,何度もふれたところですが,問合せの電話に対し,「○日の○時であれば,時間をお取りできます。」と答えるのではなく,「今日でも相談をお受けできますが,ご希望の日時はおありですか。」と答えなければなりません。<br />
弁護士レベルでいえば,既に法廷の期日や打合せの予定が入っていれば仕方がありませんが,起案の都合を優先することなどあってはなりません。法的サービスを独占する地位を与えられている弁護士は,市民の法的ニーズに答えるべき責務を負うと自覚すべきです。<br />
<br />
<b><いくつかの質問></b><br />
さて,ここで,私のブログや業革のシンポでの話しを聞いた方からの質問です。<br />
<br />
<b>即日相談に応じるようにすると,相談が殺到し,自分のキャパを超えてしまいそうで怖いとの感想を何人かの方から伺いました。</b><br />
確かに,相談数は増加しますが,それは経験と工夫でどうにかなるものです。原総合法律事務所の場合,問合せの電話があった際,電話を受けた事務局が聞取りを行い,直ちにデータベースに入力し,相談前に弁護士が相談概要を把握することができます。必要であれば,裁判例,文献等も確認した上で,相談に臨めるので,相談時間も短縮できますし,弁護士の負担も軽くなります。そのために,典型的な事件の類型については,聞き取るべき項目を整理してあり,その項目にそって,聞取りを効率的に行っています。<br />
<br />
<b>即日相談の相談者は,事件として受任しても,事件単価の低い場合が多いのではないかとの質問も受けました。</b><br />
確かに,事件単価の低い事件も多いのですが,そもそも,事件単価の高い事件だけをつまみ食い的に受任しようという考え方はいかがかと思います。そして,事件単価の低い事件も相当数受任していれば,その中に事件単価の高い事件も一定割合で受任できるというのが,実感です。<br />
<br />
<b>即日相談や飛び込み相談は,ハードな案件が多いのではないかとの質問もありました。</b><br />
しかし,経験的には,顧問先や以前の依頼者など紹介者のある相談者と紹介者のいない相談者で,相談の傾向に差があるとは感じていません。<br />
<br />
<br />
<b>最後に</b>,既に即日相談の実践例は原総合法律事務所にあります。皆さんは,その実践例をふまえ,自分なりにアレンジすれば,原総合法律事務所が最初に取り組んだときよりは幾分容易に即日相談を実現できるのではないかと思います。<br />
私たちは,即日相談が法律相談の常識になることが,弁護士の「敷居」,「ハードル」を下げ,弁護士全体の「顧客の創造」につながると考え,様々な形で発信を続けています。より良い法律相談のあり方について,一緒に考えていきたいと思いますので,皆さんからのご意見や疑問などもお寄せいただければ幸いです(このブログにはコメントできないので,HPのお問い合せフォームをご利用ください。→<a href="https://ssl.haralawoffice.com/inq/" target="_blank">こちら</a>)。所長弁護士原章夫http://www.blogger.com/profile/01342084082195400579noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2081858639734562054.post-37236370260719315772012-01-01T15:26:00.000+09:002012-01-01T15:26:00.883+09:00新たなステージを目指して(新年のご挨拶)<br />
<span style="font-size: large;"><b style="background-color: #cccccc;"><ご挨拶編>新たなステージを目指して(新年のご挨拶)</b></span><br />
<br />
あけましておめでとうございます。<br />
<br />
昨年は,原総合法律事務所の原則的な(それは先鋭的なものであったかもしれません)マーケティング戦略を発信し,様々な新しいサービスを創造する中で,弁護士のマーケティングが人権課題であることを確認できた1年でした。<br />
<br />
「いつでも,どこでも,だれにでも 上質な法的サービスを。」提供できる法律事務所でありたい。そのために,私たちがなすべきことはまだまだ多いと感じていますし,原総合法律事務所だけでできることには限界があるとも感じています。<br />
今年は,より広範なつながり(ネットワーク)の中で,新たなステージを目指す1年になりそうです。既に新しいプロジェクトも準備中です。<br />
<br />
今年もどうぞよろしくお願いいたします。<br />
<br />
2012年元旦<br />
弁護士法人佳朋 原総合法律事務所<br />
代表社員・弁護士 原 章夫<br />所長弁護士原章夫http://www.blogger.com/profile/01342084082195400579noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2081858639734562054.post-12257168618040545302011-12-24T00:05:00.002+09:002011-12-24T00:05:50.002+09:0025 弁護士「会」のマーケティング<br />
<span style="font-size: large;"><b style="background-color: #cccccc;"><span style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;">25</span> もっと身近な弁護士であるために5-弁護士「会」のマーケティング</b></span><br />
<br />
前回のアップ以降,かなり間が空いてしまいました。<br />
いつの間にか年末。1年を総括しつつ,来年の事務所のマーケティング戦略の展開を考えながら,いったん中断していた弁護士アクセス編「もっと身近な弁護士であるために」を続けることにします。<br />
<br />
といいながら,今日は,そのつなぎ兼お知らせ(予告)です。<br />
実は,来年(2012年)10月26日に長崎で開かれる九州弁護士会連合会定期大会のシンポジウムのテーマは,「弁護士(への)アクセスの現状と課題」と決まっています。<br />
何だか,このブログのテーマと重なっていますが,というのも,私の問題意識を取り上げてもらい,かつ,私がシンポジウムの責任者なもので…。<br />
ということで,皆さん,スケジュールを確保しておきましょう。<br />
<br />
今年(2011年)11月11日の横浜での日弁連弁護士業務改革シンポジウムでは,私も第1分科会のパネラーとして原総合法律事務所のマーケティング戦略をお話ししました。そこでは,個々の弁護士・法律事務所の取組みがテーマでしたが,来年の九弁連大会のシンポジウムでは,弁護士会が全体としてどのように市民からのアクセスを容易にしていくか=弁護士会のマーケティングがテーマです。<br />
このテーマ,私の中での位置付けは,横浜での業革のシンポの次の段階という位置付けです。<br />
というのは,原総合法律事務所の事務所理念が,「法的サービスを独占し,そのサービスの提供にあたって,『基本的人権の擁護と社会正義の実現』を求められる弁護士として,法的サービスにアクセスできていない市民,中小企業に対し,上質な法的サービスを提供できる事務所であること」は,繰り返し話してきました(<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.com/2011/09/blog-post_13.html" target="_blank">02 明確な事務所理念・ビジョン</a>)。そして,原総合法律事務所は,「いつでも,どこでも,だれにでも」法的サービスを提供できる事務所であるために,様々な取組みを展開してきました。<br />
しかし,一事務所ができることには限界があります。そこで,多くの弁護士・事務所が「いつでも,どこでも,だれにでも」法的サービスを提供できるように共通の取組みを進めて欲しいという思いから,このブログを立ち上げ,原総合法律事務所の実践を紹介してきました。そして,実際,原総合法律事務所の取組みを知り,同様の取組みを始めてきた法律事務所があります。<br />
しかし,それでも,個々の弁護士・法律事務所ができることには限界があります。次の段階は,弁護士会としての取組みです。<br />
<br />
実は,そのような視点から,私は,2009年度と2010年度,長崎県弁護士会の会長を務めた際,長崎県弁護士会の全員協議会等で,弁護士会のマーケティングを問題提起してきました。でも,そもそも弁護士のマーケティングも一般的ではなかった時期に弁護士会のマーケティングを具体化するには早すぎたようです。私自身のマーケティングに関する理解や構想も不十分だったと思います。<br />
<br />
しかし,徐々にマーケティングの考え方が弁護士の中にも浸透し,私自身,マーケティングが人権課題であること(このことについては,<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.com/2011/11/blog-post_13.html" target="_blank"><コラム編4>業革シンポを終えて</a>を参照してください。)を再確認した今,もう一度,弁護士会のマーケティングを問題提起してみたいと思うようになりました。<br />
その具体的な内容は,これから議論し,造り上げていくことになりますが,弁護士会の新たな地平を開けるようなシンポジウムにしたいと考えているところです。<br />
いずれ,具体的な内容が固まってきたら,その紹介もしていきたいと思いますが,まずは,日程の確保をよろしくというお願いでした。<br />所長弁護士原章夫http://www.blogger.com/profile/01342084082195400579noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2081858639734562054.post-78323728180061819602011-12-11T16:49:00.001+09:002011-12-11T23:17:46.560+09:0024 内部ブランディング(Internal Branding)<br />
<span class="Apple-style-span" style="font-size: large;"><b style="background-color: #cccccc;"><span class="Apple-style-span" style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;">24</span> 法律事務所のブランディング7-内部ブランディング(Internal Branding)</b></span><br />
<br />
法律事務所のマーケティング・弁護士のマーケティングの観点から,事務所内のブランディングについて,そのうち来所された相談者,依頼者に向けてのブランディングを3回にわたって考えてきました。<br />
今回は,事務所内のブランディングのもう一つの側面,<b>事務所のスタッフ自身に向けてのブランディング</b>です。<br />
<br />
私たちは,経験的に,事務所内の弁護士や事務局といったスタッフ間で不協和音があると,その対応に時間をとられ,また業務に集中できないこと,その結果,スタッフのモチベーションが維持できず,業務能率が落ちることを知っています。<br />
これに対し,弁護士や事務局といったスタッフが,一つにまとまり,協働しているときは,スタッフのモチベーションも高く,結果として,業務も進み,業績も上がるものです。<br />
<br />
このスタッフを一つの組織にまとめ,組織として機能させることはマネジメントの課題であって,原総合法律事務所のマネジメントについては,マネージャーの別ブログが用意されているところです(<a href="http://haralawoffice-manager.blogspot.com/" target="_blank">所長弁護士・中小企業経営者必見!法律事務所におけるマネジメントのススメ</a>)。<br />
<br />
ただ,法律事務所のマーケティングの観点からは,スタッフを一つの組織にまとめるのが,事務所の理念であり,マーケティング戦略であるということが重要です。<br />
弁護士1人に事務局1~2人というスタッフであれば,馬が合うとか,好き嫌いとかいうパーソナルなレベルでスタッフがまとまることもあると思います。<br />
しかし,それ以上の人数の組織になったとき,全員が「仲良しクラブ」にはならないわけで,組織をまとめる軸が必要になります。<br />
もちろん,その基盤には,労働力を提供し,それに対価を支払うという支配・従属関係があるのですが,規則で縛り,命令したからといって,組織としてまとまるわけではありません。<br />
全てのスタッフが,事務所の理念とマーケティング戦略を理解し,それに共感し,誇りを持って業務することができれば,モチベーションは上がり,たとえ日々の業務が忙しくても,それほどストレスには感じないものです。<br />
<br />
事務所の弁護士・事務局の全スタッフが,原総合法律事務所の理念(何度も話しているので,ここではふれません。→例えば,<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.com/2011/09/blog-post_13.html" target="_blank">02 明確な事務所理念・ビジョン</a>)に共感し,原総合法律事務所で業務をすることに誇りを持てるようにすること,それが<b>事務所のスタッフ自身に向けてのブランディング</b>です。<br />
原総合法律事務所では,毎月の事務所会議で事務所理念を確認し合うのはもちろん,事務所の運営や業務に当たって,何かを考え,意見を出すときには,必ず事務所理念に照らしてどうなのかを検討するよう求めています。そうすることで,自然と事務所理念が行き渡っていくことを狙っています。<br />
もちろん,前提として,この事務所理念が,スタッフの誇りとなり,スタッフのモチベーションを高めるようなものでなければなりません。この点では,幸い,弁護士は,基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命としているのですから,この軸を外さない限り,法律事務所の理念は,当然にスタッフの誇りとなり,スタッフのモチベーションを高めるものになるはずです。自分たちも基本的人権の擁護と社会正義の実現に関与しているという意識は,誇りとモチベーションの源になるはずです。<br />
<br />
ところで,この記事を書くにあたって,ネットを調べていたら,こういう内部に向けてのブランディングを<b><u>内部ブランディング('Internal Branding'又は</u></b><b><u>'Inner Branding'</u></b><b><u>)</u></b>というようです。<br />
当たり前のことだとは思うのですが,整理すれば,確かに,消費者に向けての<b><u>外部ブランディング('External Branding'</u></b><b><u>又は</u></b><b><u>'Outer Branding'</u></b><b><u>)</u></b>と内部ブランディングがあり,外部ブランディングだけ進めても,内部ブランディングがきちんとできていなければだめだというのはそのとおりだと思います。<br />
このブログで一貫して強調している,マーケティング戦略の基礎は事務所の理念であるというのは,まさにこの内部ブランディング-弁護士・事務局の全スタッフが理念を共有することを指しているわけです。<br />
<br />
追記 マネージャーのマネジメントのブログでも,内部ブランディングにふれています。→こちら「<a href="http://haralawoffice-manager.blogspot.com/2011/12/blog-post_11.html" target="_blank">内部ブランディングのススメ</a>」所長弁護士原章夫http://www.blogger.com/profile/01342084082195400579noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2081858639734562054.post-92188497455015499762011-12-04T20:41:00.001+09:002011-12-05T00:17:14.502+09:0023 ハード面のブランディング<br />
<span class="Apple-style-span" style="font-size: large;"><b style="background-color: #cccccc;"><span class="Apple-style-span" style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;">23</span> 法律事務所のブランディング6-ハード面のブランディング</b></span><br />
<br />
法律事務所のマーケティング・弁護士のマーケティングの観点から,事務所内の,来所された相談者,依頼者に向けてのブランディングを考えてきました。<br />
今回は,前回までのソフト面に続き,事務所や相談室の作りなどハード面のブランディングについてです。<br />
<br />
私たちが提供する法的サービスは,弁護士の法的知識やノウハウ,経験に加えて,事務局スタッフの対応というソフト面が核となることは当然ですが,更に加えて,事務所や相談室の作りなども評価されていることに気を配るべきです。<br />
<br />
ただ,このハード面のブランディングは,「資金」という大きな制約があります。いかに安価に,「ここは信頼できそう。ここだったら相談に来たい。事件を依頼しよう。」と思わせるかがポイントです。<br />
<br />
まず,事務所の場所・立地です。<br />
交通の便がいい方が望ましいのはいうまでもありません。そういう意味では,従来の裁判所の近くというのでなく,駅周辺といった交通の要地に事務所を開く例が増えているのは,理解できるところです。<br />
また,出入口にも気を配るべきです。入り口が目立ちすぎると,相談者は,入りづらいものです。入り口は目立たなくても,あまりに人通りが少なかったりすると,その付近にいるだけで法律事務所に行くことが分かってしまい,やはり好ましくありません。<br />
それなりに人通りもある地区で,法律事務所以外のテナントも入っているビルの一室が入りやすいようです(1階は入るところが見えるのでNG)。<br />
<br />
事務所の内装や什器備品などにも気を遣うべきです。<br />
数十年前のいかにも法律事務所という雰囲気の漂う応接セットに書棚というのはどうでしょうか。<br />
威圧感のある作りでは,悩みを抱えた相談者,依頼者が萎縮し,ますます気持ちが落ち込んでいくような気がします。明るくシンプルで清潔感のある方がいいでしょう。<br />
法律書が並んでいたりするのは,威圧感があるような気がしますし,弁護士にとっても,相談が入っていると,自由に本を取ることができず不便です。<br />
また,機能的であることも必要で,応接テーブルは,この点でもメモが取りにくく好ましくありません。やはり,会議用の机と椅子が使いやすいと思います。なお,机は広い方が資料を広げやすいのはもちろん,対面する相手の手が届かない点で,セキュリティの面からも望ましいと思います。<br />
<br />
原総合法律事務所では,悩みを抱えた相談者,依頼者が来られるわけですから,できるだけ明るく,白を基調とした相談室の作りにして,できる限り,物を置かないようにしています。<br />
こんな感じです。<br />
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<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgmvIH0COzHpEoUu6VxjG3U_7Zd2KcA7c55RfCrhxnyNFRTXTMIJczRH3D0mX3jiZtaJDyVPAf0DjmO617GEKXzfAHMR691Z0zQbsbZ7frhzUwm9XtZUwJOdHzjTRlsV6VmKtnMXtrNq_YY/s1600/%25E7%25AC%25AC1%25E7%259B%25B8%25E8%25AB%2587%25E5%25AE%25A4.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="212" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgmvIH0COzHpEoUu6VxjG3U_7Zd2KcA7c55RfCrhxnyNFRTXTMIJczRH3D0mX3jiZtaJDyVPAf0DjmO617GEKXzfAHMR691Z0zQbsbZ7frhzUwm9XtZUwJOdHzjTRlsV6VmKtnMXtrNq_YY/s320/%25E7%25AC%25AC1%25E7%259B%25B8%25E8%25AB%2587%25E5%25AE%25A4.jpg" width="320" /></a></div>
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<br />
ちなみに,受付もイメージを統一しています。<br />
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<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEifFFUsxvzYfL0zqaR3te-KxnsZNNSHLoFyBGaHW2JZszbhlJTYslJVN3jF6CahgxFkQGh5jhE4RQ2AN4D5iGizKw4rGd2LLsqGZ6as3W_qHSspGyfKZLY-QfwwCQh3_0CYuiyD6ogRSFa9/s1600/%25E5%258F%2597%25E4%25BB%2598.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="212" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEifFFUsxvzYfL0zqaR3te-KxnsZNNSHLoFyBGaHW2JZszbhlJTYslJVN3jF6CahgxFkQGh5jhE4RQ2AN4D5iGizKw4rGd2LLsqGZ6as3W_qHSspGyfKZLY-QfwwCQh3_0CYuiyD6ogRSFa9/s320/%25E5%258F%2597%25E4%25BB%2598.jpg" width="320" /></a></div>
<br />
<br />
もちろん,プライバシーが守られることも重要で,他の相談者や訪問者と顔を合わさない配慮が必要です。<br />
声も漏れないようにしたいのですが,現実的には,壁を天井まで立ち上げても,声は漏れるものですし,防音まで行うとかなり高価です。<br />
原総合法律事務所でも,間仕切りは天井との間に隙間があるのですが,相談室の間に通路を挟んだり,またBGMを流すようにして,少しでも他の相談の声が入らないようにしています。<br />
また,スタッフの話し声や電話の声が漏れるのも避けたいものです。特に,電話は他の事件の情報が漏れる危険があります。<br />
<br />
ちなみに,相談者から見えるところに,他の事件の記録が置いてあったりする事務所がありますが,プライバシーの観点から絶対に避けるべきです。<br />
<br />
これらの基本をふまえた上で,相談室の差別化を図ることも有効です。<br />
原総合法律事務所では,子どもさんと一緒に相談を受けることができるように,キッズルームがあります。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjSIgexlfpdgwRJtN7pgvyqTfp7oGGI1m7PZPhSqDOaOIhoKgJO_e9sYLyznRKoB3mIioQRxaOrjSfqwhkYP9O_rr4Wwidf8rCGV-kYv5zuNPSKntc_erJOHOh8ziimxxcLOeUS9i0njLHR/s1600/%25E3%2582%25AD%25E3%2583%2583%25E3%2582%25BA%25E3%2583%25AB%25E3%2583%25BC%25E3%2583%25A0.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="212" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjSIgexlfpdgwRJtN7pgvyqTfp7oGGI1m7PZPhSqDOaOIhoKgJO_e9sYLyznRKoB3mIioQRxaOrjSfqwhkYP9O_rr4Wwidf8rCGV-kYv5zuNPSKntc_erJOHOh8ziimxxcLOeUS9i0njLHR/s320/%25E3%2582%25AD%25E3%2583%2583%25E3%2582%25BA%25E3%2583%25AB%25E3%2583%25BC%25E3%2583%25A0.jpg" width="320" /></a></div>
<br />
<br />
さらに,最近,レディスルームを設けました。他の相談室より上質感のある内装で,間接照明を使い,女性の好みそうな小物を置いたり,アロマを焚いたりしています。(マネージャーのブログでも紹介されています。→<a href="http://haralawoffice-manager.blogspot.com/2011/11/ver2.html" target="_blank">こちら</a>)<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhiqoeaJKRJ1ADoIJOoxmGm9pmyxhjntkTAVoJf1oabciaf5TKxB8YjpwCTMiywXzTgs_9wNk4ZvoCFe5rM4ShTNvaS7w0KNh0PO6KXszgGTwgdJjUnO-VHKLOmrHegympphJrd7LarMl_e/s1600/%25E3%2583%25AC%25E3%2583%2587%25E3%2582%25A3%25E3%2582%25B9%25E3%2583%25AB%25E3%2583%25BC%25E3%2583%25A01.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhiqoeaJKRJ1ADoIJOoxmGm9pmyxhjntkTAVoJf1oabciaf5TKxB8YjpwCTMiywXzTgs_9wNk4ZvoCFe5rM4ShTNvaS7w0KNh0PO6KXszgGTwgdJjUnO-VHKLOmrHegympphJrd7LarMl_e/s320/%25E3%2583%25AC%25E3%2583%2587%25E3%2582%25A3%25E3%2582%25B9%25E3%2583%25AB%25E3%2583%25BC%25E3%2583%25A01.jpg" width="320" /></a></div>
<br />
<br />
<br />所長弁護士原章夫http://www.blogger.com/profile/01342084082195400579noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2081858639734562054.post-13790672127530759902011-11-28T03:46:00.001+09:002011-11-28T03:49:34.852+09:0022 スタッフ全員の上質なサービス<br />
<span class="Apple-style-span" style="font-size: large;"><b style="background-color: #cccccc;"><span class="Apple-style-span" style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;">22</span> 法律事務所のブランディング5-スタッフ全員の上質なサービス</b></span><br />
<br />
法律事務所のマーケティング・弁護士のマーケティングの観点から考えたとき,事務所内のブランディングも必要です。<br />
今回は,来所された相談者,依頼者に向けてのブランディングの第2回です。<br />
<br />
前回は,弁護士の業務という側面からの相談者,依頼者に向けてのブランディングでした。<br />
しかし,相談者,依頼者に提供する法律事務所の法的サービスは,弁護士の提供する法律事務だけではありません。ソフト面でいえば,弁護士だけではなく,事務局スタッフの対応もありますし,ハード面でいえば,事務所や相談室の作りなどもあります。<br />
これら全てをトータルして,「原総合法律事務所は違う。特別だ。」という信頼感と差別化を進めなければなりません。<br />
<br />
まず,事務局スタッフの対応については,このブログの冒頭で,「スタッフ全員の上質のサービス」というキーワードにふれたことがありました(<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.com/2011/09/blog-post_13.html" target="_blank">02参照</a>)。<br />
<br />
事務所に問合せの電話がかかったとき,最初に電話に出るのは事務局です。この第一印象は決定的に重要です。悩み事を持って,でもおそらくは弁護士に相談するのに不安を残して,ようやく電話をかけてきた人に,電話をかけてよかったと思わせなければなりません。<br />
一般的なビジネスマナーをふまえた電話対応はいうまでもありません。<br />
加えて,トラブルに巻き込まれ,気持ちの沈んだ方からの電話ですから,少しでも気持ちが前向きになるように,明るく対応することが必要です。<br />
「先生のところは,誰が電話に出ても感じがいいですよね。」と言われるようにならなければなりません。<br />
<br />
事務所に来られた相談者の方とも,まず受付で対応するのは事務局です。<br />
「どんな事務所だろう。どんな弁護士だろう。」という不安を抱いて来られている相談者ですから,マナーをふまえた対応はもちろんですが,加えて,少しでも不安を減らせるよう,丁寧な,笑顔での対応が求められます。<br />
このとき,電話を受け付けた事務局が対応すると,相談者もホッとされるようで,最近,原総合法律事務所では,できる限り電話を受けた事務局が受付対応をするように心がけています。<br />
その後,相談室に誘導するのも事務局ですし,お茶を出し,相談カードの記入をお願いするのも事務局です。ここでの対応にも,同じような配慮が必要です。<br />
<br />
これらの電話や受付,相談室での対応について,事務所内で指導する組織作り=マネジメントの体制が必要ですが,この業界は,ビジネスマナーについては,疎いところもあるので,外部の研修を受けることも必要でしょう。<br />
ちなみに,実は,もっとビジネスマナーを知らないのは,弁護士だったりします。<br />
そこで,原総合法律事務所では,弁護士も含めた全所員対象に,外部から講師を招き,事務所内でビジネスマナーの研修をしたこともあります。<br />
<br />
さらに,特に電話での問合せの際,重要なのは,<b>法律相談,受任につなぐという目的意識</b>です。<br />
事情を聞いた上で,法的な解決の方向を助言できるのは弁護士なのですから,弁護士の法律相談につながなければ,電話をかけてもらった意味がありません。<br />
ところが,法律事務所に電話をかけてくる人は,法的トラブルを抱え,混乱したり,怒りのため感情的になったり,不信感に囚われていたりします。そういった方からの電話ですから,気持ちのいい電話であるはずがありません。前回,弁護士の対応としてもふれましたが,事務局も,そんな電話を受けて,面倒くさいと思ったり,やりたくないと思うと,すぐに相手方に伝わってしまうものです。何よりも,そんな気持ちでは,問合せを相談につなぐことなどできません。<br />
問合せの電話が相談の予約につながっていないケースが目立つようなら,事務局に対して,問合せを法律相談につなぐ目的意識の徹底が検討されなければなりません。まさに,マネジメントの課題というべきで,ここから先は,<a href="http://haralawoffice-manager.blogspot.com/" target="_blank">マネージャーのマネジメントのブログ</a>のテーマです。<br />所長弁護士原章夫http://www.blogger.com/profile/01342084082195400579noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2081858639734562054.post-91770471246740485652011-11-25T02:48:00.001+09:002011-11-26T22:13:15.502+09:0021 法律事務所内のブランディング(法的トラブルからの「更生」)<br />
<span class="Apple-style-span" style="font-size: large;"><b style="background-color: #cccccc;"><span class="Apple-style-span" style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;">21</span> 法律事務所のブランディング4-事務所内のブランディング(法的トラブルからの「更生」)</b></span><br />
<br />
法律事務所のマーケティング・弁護士のマーケティングの観点から考えたとき,そのブランディングは,外へ向けたものだけではありません。事務所内のブランディングも考えなければなりません。<br />
それは,<u>来所された相談者,依頼者に向けて</u>という意味と,<u>事務所のスタッフ自身に向けて</u>という意味があります。<br />
<br />
今回は,まず,<u>来所された相談者,依頼者に向けて</u>のブランディングの第1回です。<br />
なのに,サブタイトルが<b>法的トラブルからの「更生」</b>???と思われた方,最後まで読んでいただければ,何となく感じは伝わるかと思います。実は,これ,2~3日前に思いついたフレーズです。<br />
<br />
以前,<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.com/2011/10/13.html" target="_blank">「人を介しての広報」(13)</a>でふれましたが,原総合法律事務所では,そのマーケティング戦略上,全ての依頼者,更には相談者も「キーマン」と位置付けています。受任に至った人はもちろん,受任に至らなかった人も,また何かあれば気軽に原総合法律事務所に来てもらえるような,更に周囲に困った人がいれば原総合法律事務所を紹介してもらえるような事務所になることを目指しています。<br />
<br />
それまで原総合法律事務所のことを知らない人を,原総合法律事務所までアクセスさせることは容易ではありません(もちろん,そのための努力は続けています。)。<br />
しかし,一度,原総合法律事務所の法的サービスを受けた人は,そこで満足,納得を得ていれば,リピーターになってもらえますし,周囲にも原総合法律事務所を紹介してもらえます。<br />
不特定多数の人たちに広報するよりは,ずっと効率的,効果的な広報です。<br />
<br />
そのためには,<u>事務所に来られた相談者,依頼者に向けてのブランディング</u>が考えられなければなりません。<br />
<br />
ここでのキーワードは,相談者,依頼者の<b>満足</b>であり,<b>納得</b>です。<br />
結果として勝ったのか,負けたのかにかかわらず,相談者の望む結果にそったアドバイスができたのか,できなかったのかにかかわらず,満足,納得を得ることは可能ですし,満足,納得を提供しなければなりません。仮に,結果として勝ったとしても,また,相談者の望む結果にそったアドバイスができたとしても,相談者,依頼者に不満が残り,納得が得られなければ,その相談者,依頼者は,二度と原総合法律事務所には来ないはずです。<br />
勝ち負けでいえば,半分は負けるわけですから,負けるにしても,正当に負けて,負けることに納得してもらわなければ,その相談者,依頼者は,もう原総合法律事務所はもちろん,どんな弁護士のところも訪れないでしょう。<br />
<br />
最近,弁護士の仕事は,経済的な結果ではなく,<b>法的トラブルから「更生」</b>してもらうことだと認識を新たにしているところです。<br />
勝ち負けにかかわらず,弁護士の法的サービスを受けることで<b>法的トラブルから「更生」</b>できた人は,また法的トラブルに遭えば,法律事務所に来てくれるのです。<br />
<br />
では,そのためにどうすればいいかといえば,何かテクニックやマニュアルがあるわけではありません。<br />
もちろん,法的知識やノウハウが豊富であることは前提ですが,その上で,上から目線ではなく,真摯に話しを聞き,持てる知識やノウハウを総動員して,解決方法を考えることです。それでも「だめ」であれば,相談者,依頼者は,ほとんどの場合納得するというのが,24年近くに及ぶ経験の教訓です。<br />
面倒くさいとか思ったり,やりたくないとか思うと,すぐに相談者,依頼者には伝わるものです。そういう気持ちで対応をされれば,相談を受けても,依頼しようとは思わないでしょう。<br />
また,マニュアル類で要領よく答えたり,書面を書くと,不思議とその「手抜き感」が相談者,依頼者に伝わるものです。<br />
<br />
やはり,問題は<b>モチベーション</b>であり,<b>真摯さ</b>であり,<b>謙虚さ</b>だと再確認しています。<b>圧倒的な努力</b>がないところに信頼は生まれませんし,ブランディングはできません。法律事務所のマーケティングは,テクニックの問題ではないのです。逆に,新人であっても,圧倒的な努力があれば,テクニックどうのこうのという問題ではなく,経験を積んでいく中で,自然にブランディングされていくのです。<br />
<br />
ちなみに,そうやって真摯に対応していると,依頼を受けたときには,問題があるようにも思われた依頼者が,変わっていくこともありました。まさに,<b>法的トラブルからの「更生」</b>です。所長弁護士原章夫http://www.blogger.com/profile/01342084082195400579noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2081858639734562054.post-6694609255610026372011-11-20T02:21:00.001+09:002011-11-26T22:04:57.387+09:0020 法律事務所ブランディングのよくある質問<br />
<span class="Apple-style-span" style="font-size: large;"><b style="background-color: #cccccc;"><span class="Apple-style-span" style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;">20</span> 法律事務所のブランディング3-ブランディングのよくある質問</b></span><br />
<br />
法律事務所のマーケティング戦略(弁護士のマーケティング戦略)に関わって,私がパネリストを務めた日弁連第17回弁護士業務改革シンポジウム第1分科会の打合せや当日のパネルディスカッションで出された質問です。<br />
法律事務所(弁護士)のマーケティングやブランディングについて,本質的な点に関わる疑問だと思います。<br />
<br />
<b>Question</b><br />
若手でもなく,既に多くの事件を扱っていたのに,更にブランディングし,マーケティングに取り組もうとしたのはなぜですか。<br />
<br />
<b>Answer</b><br />
原総合法律事務所が,ブランド化を議論し,マーケティングの視点を確立したのが,2008年ですから,私が弁護士になって20年,独立してからも16年が経っていました。<br />
既に,消費者問題や高齢者関係,また医療過誤や交通事故については,かなりの経験も積んでいましたし,信頼も得ているという自負もありました。<br />
しかし,まだまだ,原総合法律事務所の法的サービスを届ることができていない市民,中小企業が多かったわけで,そこに私たちの法的サービスを提供するための取組みが必要だと考え,そのためにブランディングやマーケティングの視点を取り入れたのです。<br />
<br />
<b>Question</b><br />
都市部と地方で,どちらがブランディングが難しいでしょうか。<br />
<br />
<b>Answer</b><br />
地方で,基本的人権の擁護や社会正義の実現という弁護士の使命をふまえ,真摯に業務に取り組めば,自然に信頼を得て,ブランディングできます。地方の方が,ブランディングは容易です。<br />
確かに,その地域の人口を弁護士数で割ると,弁護士1人当たりの人口は地方の方が多いのでしょうが,法律事務所,弁護士の絶対数が少ないので,「特定」の弁護士が目立ちます。例えば,メディアに載る機会も地方の方が圧倒的に多いのです。また,口コミを通じて「特定」の弁護士の業務に取り組む姿勢が,より容易に広がります。<br />
「大勢」の中に埋没せず,「特定」の弁護士の存在感が示せる地方の方が,ブランディングが容易なのは明らかでしょう。(ただし,逆に,「特定」の弁護士のマイナスイメージも容易に広がり,なかなか忘れられないのが地方です。)<br />
<br />
<b>Question</b><br />
一つの法律事務所がマーケティングを進めると,他の法律事務所との間で「<b>顧客の奪い合い</b>」になるではないでしょうか。<br />
<br />
<b>Answer</b><br />
全ての法的トラブルを弁護士が扱っているのであれば,ある法律事務所が「顧客」を獲得すれば,他の法律事務所の「顧客」が減ることになり,「顧客の奪い合い」になるのはそのとおりでしょう。<br />
でも,現実には,日弁連等の統計を持ち出すまでもなく,法的トラブルを抱えながら,弁護士にたどり着かない市民,中小企業は多いのです。これまで弁護士にたどり着いていなかった市民,中小企業に弁護士の法的サービスを提供するのは,新たな「<b>顧客の創造</b>」であって,「顧客の奪い合い」でないことはいうまでもありません。<br />
そして,原総合法律事務所は,まさにこれまで弁護士の法的サービスを受けたことがない層に弁護士の法的サービスを届ることをマーケティング戦略の目的とし,そのためにブランディングを進めているのです。<br />
<br />
<b>Question</b><br />
大々的に広告をうち,多くの事件を受任している法律事務所で,事件処理が丁寧でなかったり,不適切ではないかと思うところがあるのを見ると,マーケティングやブランディングにはマイナスイメージがつきまとうのですが。<br />
<br />
<b>Answer</b><br />
マーケティングは,顧客の満足を目的としますし,ブランディングは,顧客の信頼を前提とするのですから,事件処理が丁寧でなかったり,不適切では,そもそもマーケティングとはいえませんし,もちろん,ブランドにもなり得ません。<br />
私たちが進めるマーケティングは,法的サービスを必要とする市民に適切な法的サービスを提供しようとする仕組みで,その結果,市民の信頼を得ているのが,私たちが考えるブランディングされた法律事務所です。所長弁護士原章夫http://www.blogger.com/profile/01342084082195400579noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2081858639734562054.post-41235994941905726362011-11-18T00:38:00.001+09:002011-11-26T22:14:37.553+09:0019 ブランドのアピール(法律事務所の場合)<br />
<span class="Apple-style-span" style="font-size: large;"><b style="background-color: #cccccc;"><span class="Apple-style-span" style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;">19</span> 法律事務所のブランディング2-ブランドのアピール</b></span><br />
<br />
前回,法律事務所のブランディング編1で,<b>事務所の軸=理念(ストーリー)</b>に貫かれた<b>実践の歴史(ヒストリー)</b>が,法律事務所のマーケティング戦略上,ブランディングに不可欠なことをお話ししました。<br />
<b>事務所の理念</b>がはっきりしなかったり,軸がぶれていたりすれば,もちろん,そんな法律事務所はブランドにはなり得ませんし,圧倒的な努力に裏打ちされた<b>実践の歴史</b>がなければ,そんな法律事務所もブランドにはなり得ません。<br />
<br />
しかし,<b>理念</b>と<b>実践の歴史</b>があれば,ブランドとして十分かといえば,原総合法律事務所にとっては,まだ不十分です。<br />
それは,原総合法律事務所のマーケティング戦略の基礎となる理念が,「いつでも,どこでも,だれにでも 上質な法的サービスを。」広く市民,中小企業に提供することだからです。<br />
原総合法律事務所のブランドを広く市民,中小企業に浸透させなければなりません。<br />
そこには<b>アピールの工夫</b>が必要となります。<br />
<br />
この点は,既に広報に関わって既に数回に分けてふれたことがあるので,ブランディングという観点からのまとめです。<br />
<br />
まず,ブランディングに重要な広報は,以前,<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.com/2011/09/06-b-03-cm-dvd-dvdcm-hphp03.html" target="_blank">06 広報を考える1-効果のとらえ方</a>で分類したタイプⅠのかなり間接的な広報です。直接的に相談や依頼に結びつくわけではないけれども,原総合法律事務所の存在を地域に行き渡らせるための広報,例えば,テレビ・ラジオのCM,新聞・広報誌の広告,電車・バスの広告等がそれです。<br />
これら媒体は,一定期間は継続的に行わなければ,効果はありません。<br />
そこで,費用とのバランスを考えることになりますが(そこで,何といっても高額なテレビは除外されます。),経験的には,地方では,<u>市の広報誌</u>や<u>ラジオのCM</u>などがお勧めかと思います。特に,<u>ラジオのスポットのCM</u>は,地方では,移動に車を使うことが多く,結構聞かれています。また,こういったスポットのCMを流していると,<u>パブリシティ</u>というおまけで番組枠がもらえたりします。原総合法律事務所では,今は月1回ですが,5分間の「<a href="http://www.nbc-nagasaki.co.jp/radio/asawide/" target="_blank">ラジオ法律相談</a>」の枠を持っており,これも結構聞かれています。<br />
<br />
ところで,各種の新聞や広報誌などに広報を打つ場合,気をつけなければならないのが,<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.com/2011/09/07-06-cm-ntt-hp-hlo.html" target="_blank">07 広報を考える2-統一されたイメージ</a>で言ったように,イメージを統一することです。<br />
各媒体毎に広告代理店が異なるため,業者任せにすると,デザインやキャッチコピーがバラバラになり,同じ法律事務所と認識されないおそれがあります。なかなか業者にはイメージが伝わらず,経験的には,案を数回手直ししないと思ったイメージには仕上がってこないものです。ここは,安くないお金を出すわけですから,手間をかけてでも,校正を重ねるべきです。<br />
最近は,ロゴマークは持っている法律事務所も増えてきましたが,更に進んで,広報のデザインを統一するわけです。具体的には,フォント,色調,背景に具象を使うのか,抽象を使うのか,曲線を使うのか,直線だけにするのか等を制限します。<br />
そして,文字情報は,できる限り少なくすべきです。この手の広報は,どうせ読み流されるだけで,熟読されるものではありません。極論すれば,事務所名さえ記憶に残すことができれば,後は,HPや電話帳から検索可能です。<br />
さらに,具体的に表現するのは難しいのですが,感性,センスが統一されていることも必要です(このあたりは,デザインの優れた広告等を見て,自らの感性,センスを磨くしかありません。)。<br />
<br />
この方向を徹底すると,<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.com/2011/11/blog-post.html" target="_blank"><番外編3></a>のイメージポスターになるわけですが,さすがに,原総合法律事務所でも,このイメージポスターは,まだ事務所内に貼り出しているだけで,外には貼り出していません。しかし,いずれは,これに近いものは試してみたいと思っています。<br />
ちなみに,最近の原総合法律事務所の広報のイメージが,このイメージポスターに集約されていると説明すると,その感性,センスを分かってもらえるでしょうか。<br />
<br />
そして,このイメージポスターの手法は,実はブランディングという観点からは他の広報媒体でも有効なのではないかと考えています。<br />
世のブランドと言われる商品やサービスを見ると,一方でその商品やサービスの内容を<b>ストーリー</b>をもって説明する広報もあれば,他方で,ほとんど文字情報を含まないイメージだけの広報もあります。(このあたり,マネージャーのブログでもふれています。→<a href="http://haralawoffice-manager.blogspot.com/2011/11/blog-post_09.html" target="_blank">NO61 イメージ作りのススメ</a>)<br />
このイメージだけの広報は,インパクトをもって人の意識にその商品やサービスを残すという意味で,ブランディングにとっては有効な手段だと思えます。<br />
ただ,法律事務所では,そのような広報を行っている例は,見当たりません。<br />
確かに,実践の歴史=ヒストリーがなければ,イメージだけの広報を行っても,むしろ軽薄な印象を与え,逆効果でしょうが,既に実践の歴史のある法律事務所であれば,イメージだけの広報に踏み切ることも考えていいと思います。<br />
<br />
そこで,原総合法律事務所では,まず,イメージポスターを作ってみましたが,同様の手法の他の広報も考えています。その際は,ブログ上でもお知らせしたいと思います。所長弁護士原章夫http://www.blogger.com/profile/01342084082195400579noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2081858639734562054.post-52502686946120794512011-11-13T02:49:00.001+09:002011-11-26T22:05:55.445+09:00業革シンポジウムを終えて<b><span class="Apple-style-span" style="background-color: #cccccc; font-size: large;"><コラム編4>業革シンポを終えて</span></b><br />
<br />
日弁連第17回弁護士業務改革シンポジウムで得たことは,今後の原総合法律事務所のマーケティングに生かし,その結果は,このブログでご報告することになると思いますが,まずは取り急ぎの感想です。<br />
<br />
第一に,このシンポジウムを通じて,確信したのは,<b>マーケティングは人権課題</b>だということです。<br />
原総合法律事務所の場合,その理念は,「基本的人権の擁護と社会正義の実現」を軸に,「いつでも,どこでも,だれにでも 上質な法的サービスを。」届けようというものですから,そのマーケティング戦略も当然に「基本的人権の擁護と社会正義の実現」を目指すものでした。<br />
しかし,考えてみれば,全ての弁護士が,「基本的人権の擁護と社会正義の実現」を使命としているのですから,そこでまっとうなマーケティング戦略を考えれば,「基本的人権の擁護と社会正義の実現」が軸となるのは当然です。意識的か,無意識的かの違いはあれ,第1分科会の基調報告はもちろん,各パネリストの発言も,「基本的人権の擁護と社会正義の実現」が軸にあったと感じました。<br />
そのことを再認識させられたのが,懇親会での宇都宮日弁連会長とのちょっとした会話でした(ちなみに,そのときの様子は,マネージャーのブログを→「<a href="http://haralawoffice-manager.blogspot.com/2011/11/blog-post_13.html" target="_blank">シンポジウム(「ぼんやり振り返り」)のススメ</a>」)。宇都宮会長も,第1分科会を一部ご覧になっていたようで,業務改革やマーケティングの文脈で語られる過払いが,一連の最高裁判決以前の消費者問題を人権課題と位置付け取り組んできた弁護士たちの戦いの成果であることを話しておられました。それは,同じように,当時,困難だった過払事案に取り組んできた原総合法律事務所の思いでもありました。(その関係で,宇都宮会長とは以前から面識があったわけです。)<br />
そこで,これからは,<b>マーケティングが人権課題であること</b>を明確に意識し,打ち出していきたいと思います。<br />
<br />
第二に,しかし,依然として,<b>弁護士にマーケティングの意識は薄い</b>ということ。それなりの意識を持って参加されたと思われる第1分科会の皆さんにとっても,刺激的を通り越して,衝撃的な内容だったかもしれません。<br />
とりわけ,他の弁護士のパネリストが全員50期代という中で,40期の私には,経験をふまえた原則的な発言が求められていると理解しました(原則的というのは,前で述べた,マーケティングも「基本的人権の擁護と社会正義の実現」の視点で取り組まなければならないということです。)。<br />
しかし,その発言は,「普通」の弁護士の認識とはかなりかけ離れたものになっていたようです。原総合法律事務所の中で業務していると,あまりに当たり前なことで,「普通」の弁護士の認識との違いに気がつかないというのが本当のところです。<br />
<b>このシンポジウムが転機になった</b>といわれれば嬉しいのですが。<br />
<br />
第三に,やはり,<b>日弁連のレベルはすごい</b>ということ。<br />
第1分科会以外の気になる分科会の基調報告書を読んでいるところですが,まずは第10分科会です。高齢社会対策本部が担当した分科会で,「高齢社会におけるホームロイヤーの役割~高齢者へのトータルな支援を目指して~」というタイトルの分科会です。<br />
その問題意識は,高齢者の財産管理,財産承継(遺言など)に弁護士が十分な対応をしていない現状をふまえ,福祉・医療専門職や専門機関の連携の司令塔的役割を弁護士が担い,高齢者をトータルかつ継続的に支援する「ホームロイヤー」を広めようというものです。<br />
実は,原総合法律事務所でも,同じ問題意識から,新しいマーケティング戦略として,原総合法律事務所を核とした各専門家のネットワークを作ろうと考えていたところでした。「ホームロイヤー」は,まさに原総合法律事務所のいう「かかりつけ弁護士」です。<br />
それをマニュアル化し,弁護士会として広げようという議論が始まっていたことは知りませんでした(長崎県弁護士会の会長に就いた後,日弁連の高齢者の委員会や高齢社会対策本部から離れてしまったもので。)。<br />
また,最後についているケーススタディも使えそうです。<br />
<br />
取り急ぎの感想でした。所長弁護士原章夫http://www.blogger.com/profile/01342084082195400579noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2081858639734562054.post-90343105060968029752011-11-12T18:28:00.001+09:002011-11-26T19:50:31.592+09:00業革シンポジウム参加のお礼<br />
<span class="Apple-style-span" style="font-size: large;"><b style="background-color: #cccccc;"><お礼編>日弁連弁護士業務改革シンポジウム参加のお礼</b></span><br />
<br />
先ほど,昨日の横浜での日弁連第17回弁護士業務改革シンポジウムを無事終え,長崎に戻ってきました。<br />
<br />
シンポジウムで得たことは,今後のこの法律事務所のマーケティングのブログに生かしていくとして,まずはブログを借りてのお礼です。<br />
第一分科会「小規模法律事務所におけるマーケティング戦略~さらなる依頼者志向へ~」のパネリストとしての参加でしたが,シンポジウムを支えた運営委員の皆さん,パネルディスカッションをコーディネートしていただいた橋本先生,皆川先生,パネリストとして刺激的なお話しをうかがえた元榮先生,大山先生,堀先生,大木様,ありがとうございました。このシンポジウムで,また,法律事務所のマーケティングやマネジメントの新しい試みの種を見付けたような気がします(法律事務所のマネジメントについては,<a href="http://haralawoffice-manager.blogspot.com/" target="_blank">こちら</a>で)。<br />
そして,何よりも,パネリストに推していただいた(だけではなくて,交代していただいたのですが)小松先生,本当にありがとうございました。小松先生とつながることができたのが,原総合法律事務所の転機でした。(小松先生のシンポの記事です→<a href="http://www.trkm.co.jp/sonota/11111201.htm" target="_blank">参加者約2000名で第17回弁護士業務改革シンポ開催1</a>)<br />
<br />
また,シンポジウムに参加された皆さん,お疲れ様でした。<br />
かなり先鋭的な話しと思われたかもしれませんが,できれば,このブログを最初から読み返して,もう一度考えてみていただければ幸いです。「基本的人権の擁護と社会正義の実現」を徹底するために,法律事務所のあり方を考えていけば,法律事務所も変わっていかざるを得ないと考えています。<br />
何人かの方からは,会場で直接感想もうかがいましたが,もっと感想を聞かせていただければ幸いです(このブログにはコメントできないので,<a href="https://www.haralawoffice.com/inq/" target="_blank">原総合法律事務所のHPにある「お問い合せ」フォーム</a>をご利用ください。)。<br />
<br />
ということで,弁護士のマーケティングのブログは,まだまだ続きます。所長弁護士原章夫http://www.blogger.com/profile/01342084082195400579noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2081858639734562054.post-10383340336230656802011-11-06T00:53:00.001+09:002011-11-26T22:04:00.069+09:0018 法律事務所ブランディングの基礎<br />
<b><span class="Apple-style-span" style="background-color: #cccccc; font-size: large;"><span class="Apple-style-span" style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;">18</span> 法律事務所のブランディング1-ブランディングの基礎</span></b><br />
<br />
弁護士アクセス編「もっと身近な弁護士であるために」をいったん中断して,法律事務所のブランディングについて考えてみることにします。<br />
(<a href="http://www.nichibenren.or.jp/event/year/2011/111111.html" target="_blank">11月11日の日弁連弁護士業務改革シンポジウム</a>第1分科会にパネリストとして参加予定であることは<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.com/2011/10/blog-post.html" target="_blank">アナウンスしました</a>が,事務所のブランディングもテーマなので,実はそのための準備です。)<br />
<br />
原総合法律事務所では,2007年ころ,事務所のビジョンを考えるようになり,既に<b>事務所の「ブランド化」</b>を話題にしていたことをお話ししました。このブログの冒頭でしたが(<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.com/2011/09/blog-post_13.html" target="_blank">02</a>),「法律事務所にブランド???」と思いませんでしたか。<br />
しかし,従来から,地域の有力な法律事務所は,その意識はなかったと思いますが,既に「ブランド」でした。<br />
そう言われればそうかもしれないけれど,やっぱり法律事務所とブランドは馴染まないと思われた方,今回のブログは,そういう方が対象です。<br />
<br />
ブランディングにも様々な意味付けがなされているようですが,差別化された価値の創造というのが共通項でしょうか。要するに,「ここは違うよなぁ。」と思わせることです。<br />
「原総合法律事務所は違うよなぁ。」と思わせることで,原総合法律事務所の理念である「いつでも,どこでも,だれにでも 上質な法的サービスを。」広く市民に提供できるようになるわけです。更にいえば,「弁護士は違うよなぁ。」と思わせることができれば,全体としての弁護士へのアクセスが改善されるはずです。<br />
弁護士,法律事務所(更には弁護士会,日弁連)のブランディングが必要な理由がここにあります。<br />
<br />
そのために私が重要だと思っているのは<b>,ストーリー</b>と<b>ヒストリー</b>です(このフレーズ,さっき思いついたので,多分,本来の概念とは違います。念のため。)。<br />
<br />
まず,ブランドには<b>ストーリー</b>=軸が必要です。<b>事務所のビジョン・理念</b>です。<br />
そして,そのビジョン・理念の<b>実践の歴史</b>=<b>ヒストリー</b>が必要です。<br />
<br />
このブログでは,原総合法律事務所のビジョン・理念については,繰り返しふれてきたところですが,「実践の歴史」については,詳しくお話ししたことがありません。<br />
そこで,原総合法律事務所がどのようなブランディングを行ってきたか,まず,「実践の歴史」を振り返ってみたいと思います。<br />
<br />
原総合法律事務所は,1992年の設立以来,当初は,<b>消費者関係</b>の事件が業務の中心でした。地縁,血縁がないところでの開業でしたから,顧問や依頼者からの紹介の事件は少なく,法律相談センターからの受任や先輩弁護士からの紹介が主でした。<br />
そのような事件の中には,結構,事実関係が面倒で,法律構成が難しく,でも少額の消費者関係の事件が数多くありました。例えば,クレジットの名義貸しだったり,先物取引だったり,過払いだったり(最高裁の判断が積み重ねられる前の過払い事件は,次々に出される未登載の下級審判決をフォロー,整理し,新しい法律構成も求められる「重たい」事件でした。),商工ローンだったり(日栄の引直し計算は独特でしたし,手形の取立てを止めるのも大変でした。商工ファンドの根保証も熾烈な主張,立証を繰り返していました。),そして破産・個人再生などです。<br />
その「実践の歴史」の中で,原総合法律事務所は,消費者問題について,差別化,専門化し,消費生活相談員との信頼も築いていきました。<br />
<br />
次いで,2000年ころから,<b>高齢者関係</b>の委員会に所属し,高齢者に関わる専門職や福祉関係者,行政とのネットワークにも積極的に参加し,高齢者関係の事件も扱うようになってきました。<br />
その間,2008年度には日弁連高齢者・障害者の権利に関する委員会副委員長も経験する「実践の歴史」の中で,福祉に関わる機関や個人との信頼も築いてきました。<br />
<br />
また,弁護士になった当初から,<b>医療過誤</b>にも患者側で積極的に取り組んできました。<br />
この10年くらいは,事務所独自で医学文献を揃え,データベースにもアクセスできる環境を作り,また,医師との関係も作っていく「実践の歴史」の中で,医療過誤についても信頼を築いてきました。<br />
その結果,最近は,常時10~15件の医療過誤を扱っています。<br />
<br />
その医学的な蓄積を前提に,<b>交通事故</b>にも被害者側で取り組んできましたが,特に,傷病との因果関係や治療の必要性など,原総合法律事務所の知識と経験が有効です。<br />
そこで,2011年8月,<a href="http://www.jikosupport-ng.com/about" target="_blank">交通事故専門の相談窓口</a>をスタートし,県や市の交通事故相談員との勉強会なども行い,ここでも差別化と信頼を得つつあります。その結果,最近は,交通事故だけで月に10~20件の新件相談を受けています。<br />
<br />
そして,私のこれまでの弁護士業務のかなりの部分を占めたのが,<b>原爆症認定訴訟</b>です。私が弁護士になった1988年,長崎原爆松谷訴訟が提訴されますが,この事件で,2000年,最高裁がはじめて原爆症認定訴訟で被爆者勝訴の判断を示し,その後の集団訴訟の被爆者勝訴の流れを決定づけたのです。私は,20年余にわたり,この原爆症認定訴訟に関わり,最後は長崎弁護団の事務局長として,訴訟の実務面を取りまとめました。<br />
この事件の中心にいたことは,被爆地長崎では特別な意味を持ち,信頼,そして事務所のブランディングにおいても意味がありました。<br />
<br />
このような事務所の軸=理念(<b>ストーリー</b>)に貫かれた実践の歴史(<b>ヒストリー</b>)が,原総合法律事務所の現在のブランド力を支えているのです。<br />
<br />
しかし,このブランド力も,広く市民,中小企業に伝わらなければ,原総合法律事務所の理念である「いつでも,どこでも,だれにでも 上質な法的サービスを。」広く市民,中小企業に提供できることとはなりません。<br />
そこには,アピールの工夫が必要となります。<br />
(続く)<br />
<br />
* 平行して,マネージャーのブログでも,現在,ブランディングがテーマになっています。ご参照ください。こちら→<a href="http://haralawoffice-manager.blogspot.com/2011/11/blog-post_04.html" target="_blank">オフ編ながらのブランディングのススメ</a>,<a href="http://haralawoffice-manager.blogspot.com/2011/11/ver2ver2.html" target="_blank">同ver2</a>,<a href="http://haralawoffice-manager.blogspot.com/2011/11/ver3ver2.html" target="_blank">同ver3</a>所長弁護士原章夫http://www.blogger.com/profile/01342084082195400579noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2081858639734562054.post-92178736669979651072011-11-03T01:17:00.000+09:002011-11-26T19:51:10.554+09:00法律事務所のイメージポスター?<br />
<span class="Apple-style-span" style="font-size: large;"><b style="background-color: #cccccc;"><番外編3>法律事務所のイメージポスター?</b></span><br />
<br />
以前,原総合法律事務所では,ポスターを作っていることを,その写真と一緒に紹介しました(<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.com/2011/09/08.html" target="_blank">08</a>)。<br />
「法律事務所にポスター???」と思われた方も多いかと思いますが,要は,見た人に事務所のイメージを残すことです。そのイメージが残っていれば,いつか法的トラブルに遭ったときに,事務所のことを思い出して,相談してみようかとなります(<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.com/2011/09/06-b-03-cm-dvd-dvdcm-hphp03.html" target="_blank">広報の効果「タイプⅠ かなり間接的」なやつです。06</a>)。<br />
とは言いつつ,そこら中に貼り出す勇気はなく,JR長崎駅前広場に貼り出しただけでした。でも,乗降客は多いので,結構目にとまっていたようです(「ポスター見ました。」と言われることがありました。)。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhS9NRrjS6MC2dji-pj1PNUhXgJAoFA7HpOqIKsihFlvY-0GojCacF1xk13KaZavrzADqJM9F3mDoOQ3QH9ikGLBOwXvgCuGSc5hfsQO06klKLB2r6YnkrOZPw2L5zLE5lsRdqmeI5NneGx/s1600/%25E3%2583%259D%25E3%2582%25B9%25E3%2582%25BF%25E3%2583%25BC.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="320" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhS9NRrjS6MC2dji-pj1PNUhXgJAoFA7HpOqIKsihFlvY-0GojCacF1xk13KaZavrzADqJM9F3mDoOQ3QH9ikGLBOwXvgCuGSc5hfsQO06klKLB2r6YnkrOZPw2L5zLE5lsRdqmeI5NneGx/s320/%25E3%2583%259D%25E3%2582%25B9%25E3%2582%25BF%25E3%2583%25BC.jpg" width="240" /></a></div>
<br />
<br />
<br />
あわせて,最近は,広報のイメージを,よりシャープなものとし,色調をよりシンプルにグレー基調にしていることを紹介しました(<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.com/2011/09/08.html" target="_blank">08</a>)。それも,インパクトを狙ってのことです。<br />
<br />
この方向を徹底すると,イメージポスターにたどり着きます。<br />
法律事務所のイメージポスターなど,聞いたことがないと思いますが,これも法律事務所のマーケティングの一手法です。<br />
実際には,こんな感じです。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhzh_MOIDp7Vwz6ob0ddoH73HunlKxOVjai0mSSBVDRGgzD8PjiL2P54dz-L2fOhbozQa_k8lUOiCNxk_NY5Tp53tAYZJVGnR4ooVAscpra0LFKMHvYUakk_WobSuWlsyrdRJtdJQz4FwZF/s1600/page001.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="320" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhzh_MOIDp7Vwz6ob0ddoH73HunlKxOVjai0mSSBVDRGgzD8PjiL2P54dz-L2fOhbozQa_k8lUOiCNxk_NY5Tp53tAYZJVGnR4ooVAscpra0LFKMHvYUakk_WobSuWlsyrdRJtdJQz4FwZF/s320/page001.jpg" width="226" /></a></div>
<br />
<br />
漢字版も並べて貼ると効果的です。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg8ajbplXyOEUp4e2X_-idnnIoOYMH_bUYU7iAQQrEE4Qh4mrgMJAs6yIsDqYtIxLuDpAU-KWTsd7E4CblgXcAnomQ10Hv32ZOjsgUFTqYIV4m6BGGFFbUkhQ3USMfmBlnL9bsK4eholYKb/s1600/page001.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="320" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg8ajbplXyOEUp4e2X_-idnnIoOYMH_bUYU7iAQQrEE4Qh4mrgMJAs6yIsDqYtIxLuDpAU-KWTsd7E4CblgXcAnomQ10Hv32ZOjsgUFTqYIV4m6BGGFFbUkhQ3USMfmBlnL9bsK4eholYKb/s320/page001.jpg" width="226" /></a></div>
<br />
<br />
<br />
今のところは,事務所内の受付や相談室に貼り出しているだけですが,一部には好評です。ポスターなど,どうせ見過ごされるのが宿命の広報媒体ですから,一部でも好評であれば,目的は十分達しています。<br />
かつ,このポスターのセンスに共感する人は,多分,原総合法律事務所の「熱い」ファンになってもらえる人と思ってもいるのです。結構,こういった感性は,選択(いくつかの法律事務所からどれを選ぶか)のポイントです(少なくとも私の場合は。)。<br />
そこで,現在,原総合法律事務所のHPも,このポスターのイメージに変更中です。<br />
<br />
ロゴをブランドイメージにする例は法律事務所でも出てきましたが,原総合法律事務所では,更に進んで,全ての広報のデザインもブランドイメージに位置付けています。<br />
<br />
まさに,イメージだけのブログでした。<br />
<br />
(追記 2011/11/04)<br />
マネージャーの法律事務所のマネジメントのブログでも,その狙いがテーマになっています。→「<a href="http://haralawoffice-manager.blogspot.com/2011/11/blog-post_04.html" target="_blank">オフ編ながらのブランディングのススメ</a>」所長弁護士原章夫http://www.blogger.com/profile/01342084082195400579noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2081858639734562054.post-63256840649466137462011-10-30T23:39:00.001+09:002011-11-26T19:51:34.199+09:0017 弁護士費用から考える<br />
<span class="Apple-style-span" style="font-size: large;"><b style="background-color: #cccccc;"><span class="Apple-style-span" style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;">17</span> もっと身近な弁護士であるために4-弁護士費用から考える</b></span><br />
<br />
前回,法律事務所のマーケティングに関わって,「法律相談」を考えるにあたって,最後に無料相談にふれました。<br />
今回は,無料相談以外の弁護士費用(弁護士報酬)全体について,弁護士へのアクセス(障害)の視点からまとめて考えてみます。<br />
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ここでも,やはり,これまで弁護士を利用したことのない市民・中小企業が,弁護士費用をどのように考えているかが検討の視点になるべきです。<br />
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一番,よく聞くのが,<b>「弁護士に頼んだら,いくらかかるのか見当がつかず,怖くて頼めない。」</b>という声です。<br />
もっとも,2004年4月1日の弁護士法改正以前は,各弁護士会に報酬基準があったわけですし,その後は,各事務所で報酬基準を作成しています。また,日弁連でも「<a href="http://www.nichibenren.or.jp/contact/cost/legal_aid.html" target="_blank">目安</a>」を作成しています。そして,最近では,各事務所がHPなどで報酬基準を公表しています。<br />
そこで,私も,弁護士費用が分からないと言われるたびに,「事務所ごとに報酬基準を決めて,HPなどで公表しているんですけどねえ。」と弁解しつつ,ちょっと調べれば分かることなのにと思っていたのが正直なところでした。<br />
しかし,誰からも繰り返し同じことを言われるということは,まだ弁護士側の取組みが不十分なのだろうと考え直しました。<br />
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そこで,HP上での説明は,従来の<a href="http://www.haralawoffice.com/fee" target="_blank">報酬基準を詳しく説明するもの</a>に加え,2011年7月,<a href="http://www.haralawoffice.com/archives/635" target="_blank">分かりやすく説明するページ</a>を追加しました。そこでは,具体的なケース毎の弁護士費用の目安も,典型的なものに限ってですが,載せています。今後は,更に具体的なケースの数を増やすことや,主な事件類型の説明のページ,よくある質問などのページから,この具体的な弁護士費用の目安のページに飛ぶリンクをはることなどを進めなければいけないと思っています。<br />
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そして,HPにこの分かりやすい説明のページをアップするのと同時に,「弁護士費用ガイド」というリーフレットも作り,相談室内に置くのはもちろん,各種のセミナー等で配布するようにしました(というか,このリーフレットをHP上にアップしたのが,上記の分かりやすく説明したページです。)。<br />
この「弁護士費用ガイド」というリーフレットは好評で,各種リーフレットのうち,一番減りが早いと思うのが,実はこの「弁護士費用ガイド」だったりします。<br />
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また,2007年7月,現在の事務所に移転したときには,各相談室の相談者の正面の壁に相談料を掲示するようにしました。こんなことでも,相談者には意外なようで,「相談料がはっきり書いてあるんですね。」という声も耳にします。<br />
ちなみに,それまでは,相談が終わり相談料の話しをすると,「相談にお金がかかるとは思わなかった。」という人がときどきいましたが,予約の電話の際,相談料がかかることを告げ,加えてこの掲示をするようになって以降,そのような人はいなくなりました。<br />
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次に,<b>「相談したら,依頼しなければいけないのでは。」</b>という誤解の声も聞くことがあります。相談料だけでは終わらないと思えば,それは確かに相談に行くのもハードルが高いでしょう。<br />
そこで,そんな誤解にも対応するよう,<a href="http://www.haralawoffice.com/archives/635" target="_blank">弁護士費用ガイド</a>には,次の流れを冒頭に書き込んでいます。<br />
① まず,相談をする。<br />
② 弁護士費用の見積書を受け取る。<br />
③ 見積書を持ち帰って,依頼をするかどうか検討する。<br />
日弁連の「弁護士の報酬に関する規程」では,見積書は,「申し出があったとき」に作成すればいいことになっていますが(4条),原総合法律事務所では,必ず見積書を作成し,弁護士費用を確認してもらった後に受任を受けることにしているのです。<br />
この見積書も依頼者にとっては意外なようです。<br />
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そして,もちろん,<b>「弁護士費用は高くて払えない。」</b>という声もあります。<br />
そのためにあるのが,まず,法律扶助です。原総合法律事務所では,法律扶助にも積極的に対応しているので,かなりの数を受けています。<br />
原総合法律事務所のHPでも,<a href="http://www.haralawoffice.com/surgery/surgery03" target="_blank">法律扶助については詳しく説明していて</a>,このページは,実は原総合法律事務所のHPの中でも良く読まれているページの一つです。それだけ法律扶助のニーズは高いということですが,よくあるのが,法テラスの事務所に行かなければ法律扶助を利用できないという誤解です。そこで,これらのよくある誤解についても,原総合法律事務所のHPでは冒頭のQ&Aを追加しています。<br />
ただ,現行の扶助は,最近,例外も制度化されましたが,原則は償還なので,どうしても着手金や報酬金の基準が低額に過ぎます。着手金や報酬金の適正化は,重要な課題です。<br />
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また,原総合法律事務所では,独自に着手金等の分割もケースに応じて受けています(例えば,破産等については,<a href="http://www.haralawoffice.com/archives/1643" target="_blank">こちら</a>)。<br />
ただ,分割計画は,きちんと守ってもらわないと信頼関係が壊れますから,支払が遅れたときの督促など,担当者を決め,マニュアル化しておくことが必要です。報酬金の長期の分割については,銀行の自動引落も利用したことがあります。<br />
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最近,急に増えているのが交通事故被害者の弁護士保険(権利保護保険)の利用で(毎月のように,この保険を利用した依頼があります。),これは,確実に弁護士へのアクセスを容易にしています。そこで,原総合法律事務所のHPでも,<a href="http://www.haralawoffice.com/archives/1612" target="_blank">その説明をするようにしました</a>。<br />
ところが,この保険は,契約者の家族も対象となったり,乗車中の事故でなくても対象となったりするにもかかわらず,使われていないことが少なくないようにいわれています。そこで,原総合法律事務所では,交通事故の被害者の相談では,家族の自動車保険も含めて確認することにしています。所長弁護士原章夫http://www.blogger.com/profile/01342084082195400579noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2081858639734562054.post-82866486866375748942011-10-23T03:01:00.000+09:002011-11-26T19:51:52.348+09:0016 様々な相談の形<br />
<span class="Apple-style-span" style="background-color: #cccccc; font-size: large;"><b><span class="Apple-style-span" style="font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;">16</span> もっと身近な弁護士であるために3-様々な相談の形</b></span><br />
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法律相談が法的なトラブルを抱えた市民・中小企業と弁護士との最初の具体的な接点です。<br />
したがって,「法的サービスにアクセスできていない市民,中小企業に対し,…法的サービスを提供できる事務所であること」を理念とし(<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.com/2011/09/blog-post_13.html" target="_blank">02</a>),「法的ニーズのある人が,『いつでも,どこでも,だれでも』相談を受け,依頼できるようにする」ことをマーケティング戦略に掲げている原総合法律事務所としては(<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.com/2011/09/03-summary-b-c-b-b-c-b-hp-dvd-c.html" target="_blank">03</a>),徹底的に「ユーザー目線」に立った様々な相談の形を打ち出さなければなりません。<br />
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まず,原総合法律事務所において,マーケティングの手法として最も有効であったし,マネジメントの面で弁護士・事務局の意識を変えるという意味でも転機になったのが「<b>即日相談</b>」であったことは,このブログの冒頭に強調しました(<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.com/2011/09/04-02-03.html" target="_blank">04</a>,<a href="http://haralawoffice-ceo.blogspot.com/2011/09/05-04.html" target="_blank">05</a>)。しつこいようですが,即日相談に対応できる体制を作り,相談の予約を受ける際,「今日でも相談をお受けできますが,ご希望の日時はありますか。」と答えるようでなければ,弁護士のハードルは下がりません。<br />
原総合法律事務所では,アンケートやヒアリングなど様々な形で市民の声を聞くことを心がけていますが(その具体例もいつかお話しします。マネージャーのブログ「<a href="http://haralawoffice-manager.blogspot.com/2011/10/blog-post_19.html">工夫したヒアリングのススメ</a>」参照),つい先日も,古くからの依頼者の方に,弁護士の「敷居が高い」とか「ハードルが高い」と思われていないかヒアリングしたところ,最初に言われたのが,「相談予約が何日も後になってしまうこと」でした。<br />
やはり,ここです。原総合法律事務所などの限られた事務所が即日相談に対応するというレベルではなく,法律事務所というのは,その日に相談に応じてもらえるものだというイメージが広がるように,「業界」を上げて取り組む必要があると再認識させられました。<br />
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これに対し,<b>夜間相談</b>や<b>土曜相談</b>に応じている事務所は増えてきていると思いますが,ここには市民のニーズはそれほどないようです。原総合法律事務所でも,月2回の土曜相談を行っていますが,相談が1件も入らないときがかなりあります(昨日も土曜相談でしたが,0件でした。)。<br />
土曜は休みという認識が一般ですし,夜間相談についていえば,相談したいことがあれば,仕事を休んででも相談に行こうと思うのであって,仕事を終えて心身ともに疲れた状態で,最初の相談を受けに行こうとは思わないのでしょう。<br />
なお,夜間相談や土曜相談を行う場合は,全く見ず知らずの方の新件相談を受けるのですから,安全上の配慮も必要です。事務所に弁護士が1人しかいない状態で,新件相談を受けてはなりません。原総合法律事務所では,夜間相談や土曜相談を行う場合は,必ず事務局にも残業,土曜出勤してもらいます(原総合法律事務所は,危機管理についても厳重です。)。<br />
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<b>電話相談</b>については,否定的ないし消極的な事務所が多いと思いますし,原総合法律事務所でも,面談での相談を原則としています。電話では,どうしても細かなニュアンスが伝わらず,面談でのコミュニケーションが望ましいからです。<br />
しかし,高齢や障がいのために来所されるのが負担であったり,入院・入所されていて来所が困難な方,あるいは県外や海外など遠方に住んでおられて,来所が不可能な方については,例外的に電話での相談にも応じることがあります。<br />
ただ,電話相談は例外的な場合ですから,どのような場合に電話相談に応じるか,応じる場合の方法,相談料をどうするかなど,事前にマニュアル化しておくべきでしょう。ちなみに,原総合法律事務所の場合,電話相談に応じることになった場合は,事務所として無料相談の対象にしている類型でなければ,事前に相談料を振り込んでもらい,日時の調整をした上で,相談者から電話をかけてもらっています(もちろん,必要な資料は,事前にファックスか郵送してもらいます。)。<br />
なお,スカイプを使ったテレビ電話相談にも応じる体制はありますが,相談者側からの希望がほとんどありません。<br />
ちなみに,更に進んで受任に至る場合は,原則として,面談をお願いするのは当然です。<br />
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また,病院や施設におられて,来所ができないのであれば,<a href="http://www.jikosupport-ng.com/sequelae" target="_blank"><b>出張相談</b></a>に応じる場合もあります。もっとも,少なくとも交通費は負担してもらうことにもなるので,電話相談でもすみそうな内容なら電話相談に誘導しているのが実情です。<br />
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さて,このような時間や場所の問題と並んで,<b>相談料</b>の問題も,市民・中小企業の側からすれば,やはり弁護士アクセスの障害となっている面は否定できません。<br />
もっとも,本来,法律相談という弁護士の法的サービスには,適正な対価が支払われるべきです。<br />
悩ましい問題なのですが,原総合法律事務所では,他事務所でも相談料を無料化している類型については,対抗上,<a href="http://www.haralawoffice.com/surgery/surgery01" target="_blank">相談料を無料にしています。</a>多重債務,交通事故の被害者(<a href="https://www.jikosupport-ng.com/inq/" target="_blank">専門相談窓口で3回まで無料化</a>),遺言・相続が対象でしたが,今は,試験的に,期間限定で不動産関係も無料にしています。既に,あらゆる相談(少なくとも初回相談)を無料化している事務所も表われていますが,扶助要件を満たす場合に扶助相談を利用するのはともかく,資力があるのであれば,相談料を支払うのが当然という原則は曲げたくないのです。<br />
また,原総合法律事務所では,ほかにも,様々なルートで無料相談券を配ったり,<a href="http://www.haralawoffice.com/topics/aaayaaaaiyiyiyaeauafafaaaaea-aeeaeoelaw-support-aaeoeae" target="_blank">Law Support 佳朋</a>の個人の利用者には年1回の無料相談のサービスを付帯したりしていますが,それとの差別化を維持する必要もあります。全ての相談を無料化すると,これらサービスの価値(お得感)がなくなってしまいますが,それは避けなければなりません。所長弁護士原章夫http://www.blogger.com/profile/01342084082195400579noreply@blogger.com