2012/01/13

27 「顧問弁護士」から「かかりつけ弁護士」へ


27 もっと身近な弁護士であるために7-「顧問弁護士」から「かかりつけ弁護士」へ

弁護士のマーケティング,法律事務所のマーケティングを考える上で,弁護士・法律事務所へのアクセスを障害しているものをどのようにして取り払っていくかは重要な課題です。
それは,私たちの目指すところが,「顧客の奪い合い」ではなく,「顧客の創造」だからです。新たな顧客を創造するためには,これまで弁護士・法律事務所にアクセスしていなかった層を弁護士・法律事務所にアクセスさせなければなりません。

そのために,具体的に何をすればいいのか。
原総合法律事務所では,現在,その最も重要な鍵となるシステムは,次の3つではないかと考えています。すなわち,

  • 即日相談
  • かかりつけ弁護士
  • ネットワーク

の3つです。
このうち,即日相談については,既に何度かふれてきました(最近では,26 もう一度考える「即日相談」,以前のは,04 即日相談に応じる覚悟05 即日相談実現のための意識改革とテクニック)。
これから何回か,かかりつけ弁護士(HPでの紹介はこちら)について,話していこうと思います。
ネットワークについては,現在進行しているプロジェクトなので,その目処が立ったところで,お話しします。

まず,かかりつけ弁護士の第1回は,その発想狙いです。

実は,このかかりつけ弁護士の発想も弁護士ではなく事務局(マネージャー→ブログはこちら)から出てきたものです。
関東の大手の企業のかなりのポストにある同級生と話しているとき,口々に,顧問はいるけれど,プライベートな相談などできないというのです。
一方で,地方の中小企業の経営者やそれに近い立場の同級生と話すと,顧問がいるから原総合法律事務所には頼めないという人がいたりするのです。
そこで,マネージャーは考えました。では,顧問と矛盾しない社員を対象としたサービスを提供できないか。
考えてみれば,原総合法律事務所が主な対象と考えている市民,それもこれまで弁護士の法的サービスを受けたことがない市民は,その多くが企業に勤める人やその家族でした。
そういった個々の市民を原総合法律事務所につなぐのは簡単ではありません。ところが,企業を通じて,その社員につながることができれば,より有効に,より効率的に市民とつながることができるのです。

そこで,企業だけではない全社員の「かかりつけ」の弁護士をシステムにできないか。
その発想を事務所内で練り上げていったのが,かかりつけ弁護士のシステムです。

そもそも,普通の市民や中小企業が,弁護士を必要とすることはそんなに多くはありません(もっとも,例えば,一生のうちに一度あるかないかというほど少ないとも思っていません。)。
しかし,いざ,法的トラブルに巻き込まれたときに,弁護士とのつながりがなければ,弁護士がどんなことができるのか知らなければ,その人が法律事務所を訪れる可能性は本当に少なくなります。
そこで,いつか法的トラブルにあったときに,原総合法律事務所のことを思い出して,原総合法律事務所に電話をかけてもらえるようなつながりを作っておくというのが,かかりつけ弁護士の狙いです。

従来の顧問のように,月々の顧問料を支払ってもらうことはしません。その点で,事務所経営的に目の前の利益を狙っているわけではありません。
かかりつけ弁護士は,もっと,長期的なマーケティング戦略です(しかし,2011年5月に始めたこのサービス,既に,受任に結びついています。)。

そこで,考えたキャッチコピーが,
「顧問弁護士」から「かかりつけ弁護士」へ であり,
「あなたのそばに弁護士はいますか」 でした。
それは,原総合法律事務所の理念である,「いつでも,どこでも,だれにでも 上質な法的サービスを。」とまさにマッチするものだと思いませんか(事務所理念はこちら→02 明確な事務所理念・ビジョン)。

次回からは,かかりつけ弁護士の具体的なシステムの紹介です。