2011/09/21

07 統一されたイメージ

07 広報を考える2-統一されたイメージ

今回は,具体的な広報の媒体毎の検討に入る前の,広報全体を通じた「統一されたイメージ」というテーマです。
前回(06)の最後に,広報にはいろんな媒体があるけれども,「統一したイメージのもと,これらを平行して,相互に関連付けて行わなければ効果は十分に表われないでしょう。」と結びました。

広報は,いろんな媒体を平行して行わなければ,効果はなかなか表われません。これだけをやっておけば良いという特効薬はありません(もちろん,テレビCMを繰り返し流す効果は絶大ですが,私たちの規模の事務所では,費用的に無理なので,潔くあきらめましょう。)。
そこで,いろんな媒体で広報を行うのですが,そのとき,同じ事務所のものだと分からなければ,複数の広報を打つ意味がありません。例えば,ホームページや電話帳を見たとき,「あぁ,あの市の広報誌で見た事務所だ。」と分からなければ,その広報誌の広告は無駄だったことになります。
全ての広報に「統一されたイメージ」が必要な理由です。

広報は,その媒体毎に取り扱う業者が違います。例えば,新聞,広報誌等であれば,各紙・誌毎に広告代理店が違います。リーフレット等であれば,印刷会社がデザインの案を作ります。ホームページであれば,ホームページの制作会社が,電話帳であれば,NTTがデザインの案を作ります。
ところが,いくら詳しくイメージを伝えたつもりでも,そのイメージが伝わっていなかったり,あるいは善意に修正を加えられ,イメージどおりのデザインにはなかなか仕上がってきません。あるいは,そもそも,デザインは全て業者任せにしたりしていませんか。
ここで,イメージがバラバラだと広報費の少なくない部分が無駄になってしまうのです。

ただ,前提として,我々の側に,「統一されたイメージ」があるのかが問題です。
法律事務所の弁護士やスタッフは,デザイナーではありませんが,自分の事務所の広報には,その文章(キャッチコピー)だけではなく,デザインにも責任を持つべきです。
事務所の中を見渡してみましょう。きっと,センスのいい人がいるはずです。その人をデザイン面の担当者に置きましょう。

さて,そこで,具体的にどのようにイメージを統一していくのか,原総合法律事務所の例です。

まず,ロゴマークです。このブログの右上に小さいのがありますが,大きいのは,原総合法律事務所のHPを見てください。
まず,人目をひくこと。かつ,印象に残ること。更に事務所の名前を連想することが必要です(家紋のイメージですね。)。
できれば,ロゴマークぐらいは,プロのデザイナーに依頼し,納得いくものを作るべきでしょう。原総合法律事務所も,ロゴマークは,そうやって作っています。
そして,あらゆる媒体にロゴマークを使い,浸透を図りましょう(原総合法律事務所では,一面の半分くらいロゴマークという広報もやってみました。)。
今では,結構,この「HLO」をアレンジしたロゴマークは,地元では知られてきているようです。

色調も統一しましょう。
むやみな多色使いは効果的ではありません。原総合法律事務所の場合,当初は,ブルーをベースにトリコロール(青,赤,白)と黒以外は使わないという大枠を決めていました。現在は,より単色にシフトし,もっと色使いをシンプルにしています(例えば,グレーをベースに黒と黄色だけとか。)。
ちなみに,原総合法律事務所のマネージャーは,このあたり結構得意とするところなので,いずれマネージャーのブログにもアップされるのではないかと思います。

フォントも統一すべきです。
明朝とゴシックをベースに,どうしても強調した部分があれば,もう1フォントぐらいにおさめないと,見ていて統一感がなく,印象が散漫です(もちろん,数字やアルファベットは明朝やゴシックだとダサイので,英数字のいい感じのフォントを使いましょう。)。

デザインはシンプルなものが好印象です。
原総合法律事務所の場合,直線がベースで,曲線はできる限り使わないようにしています。
その関係で,背景に具象(風景など)は使いません。以前は,地元密着を強調しようと,長崎らしい風景なども使っていましたが,今は,あえて長崎らしさは払拭しました(その狙いはまたいつか。)。

文章(キャッチコピー)もシンプルで,核心をつくものが必要です。文字ばっかりというのは論外です(あえてデザイン的に「文字ばっかり」を狙ったものは別ですが。)。
キャッチコピーを考えるのも,才能の面がありますが,原総合法律事務所では,キャッチコピーは,よく全スタッフに公募します。山のように案が出てきて(事務局ブログの改善提案のノリです。),その中から選んでいくと,かなりいいものが作れます。


こういった広報のイメージ作りは,メジャーな広告代理店に依頼すれば,もちろん,それなりのものが仕上がってくるのでしょうが,びっくりするぐらい高価(なはず)です。そんな余裕は私たちの事務所にはないので,ここは事務所のスタッフのセンスを磨き,事務所内での自給自足を目指すのが,私たちの予算の中での身の丈に合ったやり方でしょう。