2011/09/28

09 HPのアクセスを増やすために

09 広報を考える4-HPへのアクセスを増やすために

広報として,もっとも直接的なのが,電話帳やHPです(06タイプⅢ)。
実際に法的なトラブルを抱えた人が,どこかの法律事務所に相談に行こうと思って見る広報媒体ですから,「法的サービスにアクセスできていない市民,中小企業に対し,…法的サービスを提供すること」を理念とする原総合法律事務所(02)にとって,ここで優位にたつことは決定的に重要です。
ちなみに,原総合法律事務所のここ1年くらいの新件相談の広報媒体別の数字を見ると,HPが約13%,電話帳が約10%となっています(前提として,相談に至るルートの把握と分析が不可欠です。)。
HPを使いこなせない人にとっては,電話帳が引き続き重要な広報媒体であり続けると思いますが,今後,HPの比重が更に増えてくることは間違いありません。

ところが,実際の法律事務所のHPを見ると,ただ立ち上げたというだけで,はたして有効に機能しているのか疑問に思うHPが数多くあります。
そこで,今回からは,HPについて考えてみたいと思います。

HPが有効な広報媒体として機能するためには,次の2つの条件を満たす必要があります。
1) まず,多くの人にアクセスしてもらうこと
2) 次に,他の事務所と比べて,ここに相談に行こうと考えてもらうこと
今回は,まず1)についてです。

どんなに良くできたHPでも,まずアクセスし,見てもらえないことには全く無駄な広報になってしまいます。
そこで,まず,多くの人にアクセスし,見てもらわなければならないのですが,HPにアクセスするルートとしては,既に事務所の名前や弁護士の名前を知っていて,事務所名や弁護士名で検索してたどり着くルートと,相談したい問題に関わるワードで検索してたどり着くルートがあります。

事務所名や弁護士名で検索してもらえれば,後で述べるSEO対策など行うまでもなく,HPにたどり着いてもらえます。そのために,06でふれたように,テレビ・ラジオのCM,新聞・広報誌の広告,電車・バスの広告等が意味を持つのです(06タイプⅠ)。
まず重要なのは,地域での知名度を高めることです。
そのためには,相当な期間,種々の媒体で平行して広報を打ち続けなければなりません。しかも,それらのイメージが統一されていなければ,印象にはなかなか残りません(07)。最小の費用で,最大の効果を上げる工夫が求められるのです。
ちなみに,原総合法律事務所では,後記のSEO対策に取り組む前は,HPのアクセスの5割近くが事務所名や弁護士名を検索してのアクセスでした(前提として,HPのアクセス解析が不可欠です。)。アクセス数は,正直なところ,伸び悩んでいましたが,知名度はそれなりに高くなっていたと評価していたところです。

しかし,事務所名や弁護士名を知らない人たちは,自分の抱えている問題に関わるワードで検索をするのですから,それらのワードで検索の上位に上がってくることが必要です。そうでなければ,当事務所の理念である「法的サービスにアクセスできていない市民,中小企業に対し,…法的サービスを提供すること」を実現することはできません。
問題を抱えている人たちですから,かなり念入りにHPを探してもらえるとは思いますが,やはり上位にあるHPほど見てもらえる確率は高くなります。目指すのは,1ページ目です。

そのために必要なのが,ブラックボックスと言われるSEO(検索エンジン最適化)対策です。
SEO対策に関する本やHPは数多いのですが,専門家でない法律事務所の弁護士や職員では,理解もできないし,対応は無理だとあきらめていませんか。
確かに,SEO対策を専門とする業者に依頼すれば,かなりの費用はかかるのでしょうが,一定の成果を上げられるのかもしれません。しかし,その費用は,私たちの事務所の規模では,負担が大きいですし,その効果もブラックボックスだと言われると,なかなか依頼に踏み切ることができないのが実情ではないでしょうか。
原総合法律事務所でもそうでした。

しかし,遅すぎた感はありますが,最近になって,事務所内でSEO対策をチームを作って検討してみたところ,多くのSEO対策が一致して重要だというのは,適切なキーワードをタイトルに持って来るということでした。ほかにも,いろんなSEO対策が紹介されていましたし,やってはいけないことも紹介されていましたが,私たちができるのは,簡単なことだけです。

そこで,第1に,まず,これをやってみることにしました。ただし,タイトルは,HPの見えるところにはありません。HTMLのtitleに記載する必要があります(このあたりの技術的な点は,説明困難なので,各自,研究してください。)。
その場合,キーワードをどう散りばめるかも配慮が必要で,各事務所毎に,どのような事件を狙うかという観点から決めていくことになります。

第2に,これも多くのSEO対策が指摘していますが,どれだけ他のページからリンクされているかも,評価の対象となるようです。
そう言うと気付かれるかと思いますが,実は,このブログを立ち上げた目的の一つに,原総合法律事務所のHPにリンクをはるという点もあったのです(その意味で,前後して,交通事故の専門のHPも立ち上げましたし,マネージャーのマネジメントのブログ事務局のブログも立ち上げました。さらに,現在,別のHP立上げも準備しています。)。

そういった簡単なSEO対策を行った結果,現在では,原総合法律事務所のHPへのアクセスの7割は検索エンジンからのもので,キーワードも事務所名や弁護士名ではなく,「長崎 債務整理」といったキーワードでの検索が目立って増えてきています(繰り返し言いますが,HPのアクセス解析が不可欠です。)。それも,主なキーワードの検索で,ほぼ1ページ目を実現したからです。もちろん,アクセス数自体も増加しています。
SEO対策に取り組む前,アクセスの5割近くの検索エンジンからのアクセスのうち,ほとんどが事務所名や弁護士名を検索してのアクセスだったことを考えると,当事務所の理念である「法的サービスにアクセスできていない市民,中小企業に対し,…法的サービスを提供すること」に適合した方向に向かっているということができるでしょう。