2011/10/01

10 HPの差別化

10 広報を考える5-HPの差別化

前回(09),HPが有効な広報媒体として機能するためには,次の2つの条件が必要だといいました。
1) まず,多くの人にアクセスしてもらうこと
2) 次に,他の事務所と比べて,ここに相談に行こうと考えてもらうこと
前回の1)に続き,今回は,2)について考えます。

私たちがここで対象と考えているのは,法的なトラブルを抱え,弁護士に相談しようか,あるいは,どの法律事務所に行こうかと考えて,HPを見る人たちです。
こういった人たちは,他の法律事務所のHPも見て,あるいは他の士業の事務所のHPも見て,どの事務所に行こうか決めます。他の法律事務所や他の士業の事務所のHPとの差別化が必要な理由です。

では,HPの差別化という観点から,どういうHPを作るべきでしょうか。
既に多くの指摘があるところですが,原総合法律事務所のマーケティング戦略では,「HPの充実(圧倒的な情報量と分かりやすさ)」(03)とまとめています。
HPを比較して見る人が,分かりやすく,詳しい情報があるHPを選ぶのは当然です。

そこで,必要な情報ですが,事務所概要やアクセス情報など形式的なものを除き,配慮が必要と思うのは,次のような点です。

・事務所の理念が全体を通じて伝わってくること
もちろん,事務所の理念は載せていると思います【原総合法律事務所のHPから 理念はこちら】。
しかし,その理念を掲載したページだけでなく,HPの各ページの全体から伝わってくる事務所の印象とでもいうようなものがあります。説明するのは難しいのですが,視覚的な印象(弁護士の写真,事務所内の写真も含めて)や内容から,何となく伝わってくる事務所の理念が,それをいいと思う人(共感する人)を呼び寄せると思っています。

・費用が分かりやすく,詳しく説明されていること
弁護士に相談しようか迷う人の中には,いったいいくら費用がかかるのか分からないという人が多いようです。【原総合法律事務所のHPから 分かりやすくしたのはこちら 詳しいのはこちら

・手続の流れが分かりやすく紹介されていること
事件の類型毎に,どのように手続が進んでいくのか,チャートなども使い説明してあるといいと思います。【原総合法律事務所のHPから 例えば,医療過誤の進め方はこちら

・よくある質問が,数多く,分かりやすく説明してあること
HPを見る人は,自分が困っている問題について,いろんなHPの情報を比べているわけですから,多くの問題を取り上げているほど,ヒットする確率が高くなります。
かつ,その問題について,他のHPより分かりやすく,詳しく説明してあれば,そちらを選ぶのは当然でしょう。この点で,法律事務所のHPの説明には,普通の市民には難しすぎる説明があったりするので注意が必要です。【原総合法律事務所の交通事故の専門HPから よくある質問はこちら ,原総合法律事務所のHPから 弁護士が語る 分かる!法律の話はこちら

こういった情報を圧倒的な量と分かりやすさで載せることが,HPが有効に機能する条件となります。

しかし,HPを立ち上げた当初から「圧倒的な情報量」を載せることは無理で,日々,情報を増やしていくことが必要です。そのために,HPは,頻繁にかつ容易に更新できなければなりません。
ところが,HPの更新には,HTMLファイル等を扱う技術が必要で,これを事務所内で行うのは簡単ではありません。かといって,HPの更新を業者に依頼すると,機動的な更新が難しくなります。
この専門的な知識が必要なHPの更新を簡単にするのがCMS(Content Management System)です。原総合法律事務所でも,CMSを導入し,事務所内でHPの更新ができるようになって,HPの更新を頻繁に行うことができるようになりました(CMS導入自体は,業者に依頼する方が合理的です。)。


最後に,前提として,このようなHPの差別化により,原総合法律事務所を選んでもらうことが,市民,中小企業にとって,はたしていいことなのかという日々の検証が必要なことを強調しておきたいと思います。原総合法律事務所が,「法的サービスにアクセスできていない市民,中小企業に対し,上質な法的サービスを提供する」という理念を実践しているという「自信」とそれを裏打ちする「努力」がなければ,HPの差別化は,市民,中小企業にとって,無益です。