2011/10/23

16 様々な相談の形


16 もっと身近な弁護士であるために3-様々な相談の形

法律相談が法的なトラブルを抱えた市民・中小企業と弁護士との最初の具体的な接点です。
したがって,「法的サービスにアクセスできていない市民,中小企業に対し,…法的サービスを提供できる事務所であること」を理念とし(02),「法的ニーズのある人が,『いつでも,どこでも,だれでも』相談を受け,依頼できるようにする」ことをマーケティング戦略に掲げている原総合法律事務所としては(03),徹底的に「ユーザー目線」に立った様々な相談の形を打ち出さなければなりません。

まず,原総合法律事務所において,マーケティングの手法として最も有効であったし,マネジメントの面で弁護士・事務局の意識を変えるという意味でも転機になったのが「即日相談」であったことは,このブログの冒頭に強調しました(0405)。しつこいようですが,即日相談に対応できる体制を作り,相談の予約を受ける際,「今日でも相談をお受けできますが,ご希望の日時はありますか。」と答えるようでなければ,弁護士のハードルは下がりません。
原総合法律事務所では,アンケートやヒアリングなど様々な形で市民の声を聞くことを心がけていますが(その具体例もいつかお話しします。マネージャーのブログ「工夫したヒアリングのススメ」参照),つい先日も,古くからの依頼者の方に,弁護士の「敷居が高い」とか「ハードルが高い」と思われていないかヒアリングしたところ,最初に言われたのが,「相談予約が何日も後になってしまうこと」でした。
やはり,ここです。原総合法律事務所などの限られた事務所が即日相談に対応するというレベルではなく,法律事務所というのは,その日に相談に応じてもらえるものだというイメージが広がるように,「業界」を上げて取り組む必要があると再認識させられました。

これに対し,夜間相談土曜相談に応じている事務所は増えてきていると思いますが,ここには市民のニーズはそれほどないようです。原総合法律事務所でも,月2回の土曜相談を行っていますが,相談が1件も入らないときがかなりあります(昨日も土曜相談でしたが,0件でした。)。
土曜は休みという認識が一般ですし,夜間相談についていえば,相談したいことがあれば,仕事を休んででも相談に行こうと思うのであって,仕事を終えて心身ともに疲れた状態で,最初の相談を受けに行こうとは思わないのでしょう。
なお,夜間相談や土曜相談を行う場合は,全く見ず知らずの方の新件相談を受けるのですから,安全上の配慮も必要です。事務所に弁護士が1人しかいない状態で,新件相談を受けてはなりません。原総合法律事務所では,夜間相談や土曜相談を行う場合は,必ず事務局にも残業,土曜出勤してもらいます(原総合法律事務所は,危機管理についても厳重です。)。

電話相談については,否定的ないし消極的な事務所が多いと思いますし,原総合法律事務所でも,面談での相談を原則としています。電話では,どうしても細かなニュアンスが伝わらず,面談でのコミュニケーションが望ましいからです。
しかし,高齢や障がいのために来所されるのが負担であったり,入院・入所されていて来所が困難な方,あるいは県外や海外など遠方に住んでおられて,来所が不可能な方については,例外的に電話での相談にも応じることがあります。
ただ,電話相談は例外的な場合ですから,どのような場合に電話相談に応じるか,応じる場合の方法,相談料をどうするかなど,事前にマニュアル化しておくべきでしょう。ちなみに,原総合法律事務所の場合,電話相談に応じることになった場合は,事務所として無料相談の対象にしている類型でなければ,事前に相談料を振り込んでもらい,日時の調整をした上で,相談者から電話をかけてもらっています(もちろん,必要な資料は,事前にファックスか郵送してもらいます。)。
なお,スカイプを使ったテレビ電話相談にも応じる体制はありますが,相談者側からの希望がほとんどありません。
ちなみに,更に進んで受任に至る場合は,原則として,面談をお願いするのは当然です。

また,病院や施設におられて,来所ができないのであれば,出張相談に応じる場合もあります。もっとも,少なくとも交通費は負担してもらうことにもなるので,電話相談でもすみそうな内容なら電話相談に誘導しているのが実情です。

さて,このような時間や場所の問題と並んで,相談料の問題も,市民・中小企業の側からすれば,やはり弁護士アクセスの障害となっている面は否定できません。
もっとも,本来,法律相談という弁護士の法的サービスには,適正な対価が支払われるべきです。
悩ましい問題なのですが,原総合法律事務所では,他事務所でも相談料を無料化している類型については,対抗上,相談料を無料にしています。多重債務,交通事故の被害者(専門相談窓口で3回まで無料化),遺言・相続が対象でしたが,今は,試験的に,期間限定で不動産関係も無料にしています。既に,あらゆる相談(少なくとも初回相談)を無料化している事務所も表われていますが,扶助要件を満たす場合に扶助相談を利用するのはともかく,資力があるのであれば,相談料を支払うのが当然という原則は曲げたくないのです。
また,原総合法律事務所では,ほかにも,様々なルートで無料相談券を配ったり,Law Support 佳朋の個人の利用者には年1回の無料相談のサービスを付帯したりしていますが,それとの差別化を維持する必要もあります。全ての相談を無料化すると,これらサービスの価値(お得感)がなくなってしまいますが,それは避けなければなりません。