2011/10/19

15 セミナーを違った視点で


15 もっと身近な弁護士であるために2-セミナーを違った視点で

顧問先(あるいは顧問先になってもらいたい人)を対象にセミナーを開いている事務所は多いようです。
それが,その法律事務所のマーケティング上,顧問先の維持や関係の強化,顧問先の開拓に結びつくからでしょう。

でも,原総合法律事務所では,ちょっと違ったセミナーに力を入れています。
それは,原総合法律事務所のマーケティング戦略が,法的サービスにアクセスできていない市民,中小企業(特に,ここでは市民)をターゲットにしているからです(03)。
顧問を依頼できる企業よりも,顧問を依頼することのできない市民が圧倒的に多数なのですから,その層を弁護士・法律事務所にアクセスさせるセミナーがあってもいいと思いませんか。

例えば,原総合法律事務所では,上記のマーケティングの視点から,公民館での講座を無料で開催しています(最近の実績はこちら)。
公民館では,地域住民を対象に,いろんな講座を開講していますが,法律に関する講座はほとんどありません。それは,地域住民の法律問題に関する興味が乏しいからではなく,公民館の予算上の問題です(要するに,講師に支払うお金がないのです。)。そこで,従前,公民館では,お金のかからない裁判所や法務局の職員に,法律に関する講座の講師を依頼していた実態がありました。
私たちが,市内の公民館を回り,講師料はいらないから法律に関する講座を開かないか持ちかけたところ,ほとんどの公民館が,講座を企画してくれました。中には,講座に続いて,無料法律相談会を開くことを受け入れてくれた公民館もありました。
講座自体は,直ちに事件に結びつくというわけではありませんが,市民が「生の」弁護士にふれる貴重な機会であり,何かあれば原総合法律事務所の弁護士に相談してみようと思わせる,間接的な広報として意味があると考えています。
ただ,公民館講座を実施するには,事務局がマーケティング戦略を十分理解し,手分けして公民館に「営業」に回り,当日は講座の実施をサポートするような,法律事務所のマネジメントが不可欠です。

例えば,原総合法律事務所では,今年の8月,最近のマーケティング戦略の中心に置いている交通事故の専門相談窓口を設けた際,20~30人入れる会議室を設けましたが(「ミーティングルームかほう」と呼んでいます。),ここで市民向けのセミナーを開催することにしています。
まだ,設置したばかりなので,多重債務の無料の説明会を1回開いただけですが,現在,いろんな市民向けのセミナーの企画を進めているところです(実践型遺言作成連続セミナーとか)。

例えば,原総合法律事務所では,これも最近のマーケティング戦略の軸に位置付けている「顧問弁護士」ではない「かかりつけ弁護士」のサービス'Law Support 佳朋'を展開していますが(いずれまとめてお話しします。簡単にはこちら),その利用企業の社員に対して,「弁護士の取説」というセミナーを行っています。
私たちは,企業を介してその社員,更にはその家族や知人まで,原総合法律事務所の法的サービスを届けたいと考えていますが,そのためには,「生の」弁護士にふれてもらい,どんなときに弁護士を利用すればいいのか,その「取扱説明」を伝える必要があるのです。
ちなみに,この'Law Support 佳朋'の展開にあたっても,原総合法律事務所では,全スタッフが事務所の理念とマーケティング戦略を徹底して討議した上で,分担してつながりのある企業等にプレゼンを行っていますが,ここでもマネジメントされた組織の力が不可欠です。