<コラム編3>弁護士のセカンドオピニオン
弁護士と同じく「プロフェッション」とされる医師の提供する医療が「サービス」であることが公に認知されたのは,1995年の厚生白書だそうです。
以前は,怖そうな医師に診てもらい,十分な説明もなければ,質問もできず,医師の指示する薬を飲んでいるだけというイメージがありました。
しかし,今では,受付はもちろん,医師や看護師もにこやかで,医師は優しく説明してくれ,質問だってできるというイメージが広がってきました。もちろん,専門家として提供する医療の水準が前提ではありますが,同じ医療の水準であれば,最近の病院のイメージが望ましいのはいうまでもありません。
原総合法律事務所では,「サービス業の視点」をキーワードの一つにしていますが(04),医師・病院と同様の意識改革が,弁護士・法律事務所においても必要だと考えています。
例えば,悩み事を抱えやって来る相談者に対して,弁護士,事務局が怖そうだったり,ぶっきらぼうだったりしては,それだけで市民は弁護士にアクセスしなくなるでしょう。それでは,原総合法律事務所のマーケティング戦略である法的サービスにアクセスできていない市民,中小企業に対する法的サービスの提供は実現できません(03)。
また,医療におけるインフォームドコンセントは,法的サービスの提供にあたっても,同様に重要です。法的に考えられる選択枝をそのメリット・デメリットを分かりやすく明らかにし,専門家として適切に助言した上で,十分納得してその法的手続を選択してもらわなければなりません。
それがなければ,たとえ結果として勝利したとしても,依頼者は満足を得られず,もう弁護士のところ(少なくとも,その法律事務所)には来ないでしょう。
さらに,医療の世界では常識になりつつあるのに,弁護士の世界で日陰者なのが,セカンドオピニオンです。
しかし,実は,原総合法律事務所では,以前から,セカンドオピニオンとしての相談にも応じてきました。他の事務所に依頼しているという方から相談の問い合せがあっても,相談だけなら構いませんというスタンスでした。
また,原総合法律事務所の相談者や依頼者が,他の事務所にセカンドオピニオンを聞きに行くことも,同じように構わないというスタンスでした。
法律事務所によって,その提供する法的サービスに違いがあるのはやむを得ないことで,相談者・依頼者には,自分の責任でそれを選ぶ自由があると思うのです。また,原総合法律事務所は,その選択に耐えうる事務所になりたいと思っているのです。
そして,そういう立場をHP上でも明らかにしました(こちら→「セカンドオピニオン」について。マネージャーのブログでも,番外編セカンドオピニオンのススメ)。
同じような立場の法律事務所は,実はそれなりにあると思うのですが,そのことを明らかにすることで,セカンドオピニオンを陽のあたる場所に出し,弁護士全体の法的サービスのレベルを上げ,弁護士全体の信用を増すことができないかと考えているところです。
(追記 2011/10/26)
仙台の小松先生が,HPにかつての倫理規定と現行の職務基本規程との関係(10/24 弁護士業務についてのセカンドオピニオン-職務規程では?)やセカンドオピニオンの難しさ(10/25 弁護士業務についてのセカンドオピニオン-結構難しい?)について書かれています。ぜひ,ご覧いただきたいと思います。
セカンドオピニオンは微妙だし,対応が難しい場合が多いのですが,セカンドオピニオンで,総体としての弁護士の信用を維持し,個々の弁護士の懲戒といった最悪の結果を避けることもできるのではと思っています。
(追記 2011/10/26)
仙台の小松先生が,HPにかつての倫理規定と現行の職務基本規程との関係(10/24 弁護士業務についてのセカンドオピニオン-職務規程では?)やセカンドオピニオンの難しさ(10/25 弁護士業務についてのセカンドオピニオン-結構難しい?)について書かれています。ぜひ,ご覧いただきたいと思います。
セカンドオピニオンは微妙だし,対応が難しい場合が多いのですが,セカンドオピニオンで,総体としての弁護士の信用を維持し,個々の弁護士の懲戒といった最悪の結果を避けることもできるのではと思っています。